受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田大学系属早稲田実業学校中等部

2022年5月26日(木)

教科横断的なPDCAサイクルを回す探究活動を推進し、次世代のリーダーを育成する

 1901年に大隈重信によって設立された早稲田実業学校は、設立以来、校是として「去華就実」を、校訓として「三敬主義」を掲げています。2001年の創立100周年を機に、現在の国分寺キャンパスに移転し、その翌年に男女共学化と初等部の開校という大改革を実現しました。

 この日の説明会はオンラインで開催されました。その冒頭、中等部教頭の鈴木雅隆先生は、「本校は、大学や社会でリーダーシップを発揮できる、個性と魅力ある人材の育成をめざしています」と語りました。同校は早稲田大学とは別法人の系属校ですが、大学とは強い協力関係を築いています。推薦枠の定員も、高等部1学年の在籍生徒数を上回る450名程度となっており、今年春は卒業生418名のうち409名が内部推薦で早稲田大学に進学しました。なお、今春の外部進学者の進学先は東京大学・東京外国語大学・慶應義塾大学・上智大学・日本医科大学・テンプル大学の6大学。このうち、日本医科大学とは2020年9月に高大接続連携に関する協定を結んでおり、毎年2名まで指定校推薦で進学できます。

 続いて、教育内容についての説明がありました。中等部では全教科をバランス良く学び、基礎・基本を身につけさせたうえで幅広い応用力を伸ばします。大きな特徴が、教科横断的な探究活動(総合的な学習の時間)に取り組む、「総合プロジェクト」です。中1は地元・国分寺をテーマとする「国分寺巡検」やボランティア活動を通して、「体験→疑問・仮説→検証」という探究のPDCAサイクルで学習し、中2はそれらの情報を精査して表現方法を身につけます。鈴木先生は「昨年、出版社と連携し、『るるぶ 特別編集 国分寺市』を制作しました。国分寺市の見どころなど、すべて中2の生徒たちが考えて作り上げたものです。ぜひ、ホームページからデジタル版を閲覧してみてください」と話しました。中3は、探究スキルを生かした卒業研究レポートの作成・発表に取り組んでおり、優秀作品は卒業式に表彰されます。

 一方、高等部では、必修科目で基礎力をつけ、選択科目で興味・関心を深く掘り下げています。今年度から高1の「総合的な探究の時間」で「総合プロジェクト」を実践し、早稲田大学の学部・学科を知る活動に取り組むほか、チームに分かれて学食のメニューや文化祭グッズを考案するなど、想像力を刺激するプログラムが始動しました。現在、高2・3にも多彩な企画を準備中とのことです。

 早稲田大学との高大連携による独自のシステムも紹介されました。高3の1月から2か月間、内部推薦で進学する学部ごとに実施される「高3特別授業」では、大学の学びにつながる専門性の高い教養を身につけます。このほか、高2以上の生徒には早稲田大学の特定の科目を聴講して所定の成績を収めると、大学卒業単位として認められる「高校生特別聴講制度」、高等部在学中に1年間留学する場合、帰国後に元の学年に復学でき、大学の内部推薦も受けられる「公認留学制度」もあります。また、篤志家からの寄付を原資として、生徒の自主的な活動を支援する補助金制度が整っているのも魅力です。

 次に、鈴木先生はスライドを交えながら、学校生活について説明しました。文武両道で知られる同校では、多くのクラブが関東大会や全国大会に出場しており、部活動中の身体的なケアをサポートするアスレティックトレーナーも常駐しています。宿泊行事としては、中2の駒ヶ根教室(長野)、中3の飛鳥・奈良・京都での「古京教室」、班別行動を重視した高2の校外学習(訪問先は学年ごとに決定)を開催。海外研修も数多く実施されていましたが、コロナ禍では主にオンラインでの海外交流を行っていたそうです。鈴木先生は「入学式は早稲田大学の大隈講堂で行われ、秋には大学野球の早慶戦の応援に行くなど、本校では早稲田スピリットを感じる体験ができます」と結びました。

イメージ写真 全面人工芝のグラウンドや多目的コートなどの運動施設に加え、蔵書約7万冊を誇る図書館、電子黒板機能付きプロジェクター、PC教室やCALL教室など、ICT教育に対応した快適な学習環境を整え、生徒の成長を支えています

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