受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

浅野中学校

2022年5月29日(日)

「九転十起」の精神を受け継ぎ、たくましく生きる姿勢を育む

 1920年に実業家・浅野總一郎によって創立された浅野中学校は、首都圏有数の男子進学校です。創設者の生きざまを表す「九転十起」の精神と、初代校長を務めた水崎基一先生の教育理念である「愛と和」を校訓に掲げ、失敗してもあきらめずに挑戦し、他者への思いやりを持って、社会に貢献できる人材の育成をめざしています。

 この日、説明会に登壇した入試広報部部長の德山直先生は、「本校はおおらかで伸び伸びとした校風の学校です。多様な仲間と共に成長し、さまざまな能力を発揮して活躍できる場が数多くあります」と語り、生徒たちが6年間を過ごす、豊かな緑に囲まれたキャンパスを紹介しました。

 約5万9000m²の広大なキャンパスには、充実した教育施設が整っています。2階建ての図書館「清話書林」の蔵書数は6万冊。体育館「打越アリーナ」には、バレーボールコート4面分の広さのメインアリーナのほか、卓球場・柔道場・剣道場・ボクシング場・屋内プールなどを備え、2016年には全面人工芝のグラウンドも完成しました。さらに、すべての教室に電子黒板とプロジェクターを備え、Wi-Fiを完備し、タブレット端末を活用した授業を行っています。

 また、校内には五つの理科室があり、2020年から中3で、1クラスを2分割して少人数制で行う「実験」の授業をスタートしました。生徒同士が向かい合わなくても実験が可能なので、コロナ禍でもこの授業は継続することができたそうです。さらに、各学年フロアの中央に「学年控室」を設け、担任教諭がそこに常駐しているのも同校の特徴です。德山先生は「生徒と教員の距離が近く、授業の質問や相談にいつでも対応することができます」と強調しました。

 続いて、学習に関する説明がありました。全教科で中高6年間を見通したカリキュラムを組み、特に英語と数学の2教科を重視しています。英語は頻繁に小テストを行い、自分の声を録音して提出するICT教材の「RepeaTalk」なども利用して、中3生の約半数が英検®2級以上の実力を身につけます。授業の進度は速く、毎日90~120分の家庭学習を習慣化するために宿題も多めです。その一方で、理解や定着が不十分な生徒には追試や指名制の補習も行うなど、手厚いフォロー体制を敷いています。

 2022年度の入学生から、中学の3年間は1学年約270名を成績が均等になるように6クラス(1クラス45名)に割り振り、発展的な学習を行う「英数クラス」を高1で1クラスのみ設定。高2からは本人の希望を尊重し、めざす進路に応じてコース分けを行います。「一人ひとりの希望に寄り添うため、2023年度より、高3は現在の7クラスから8クラスに増やします」と、德山先生。進路講演会や卒業生講演会を開催するなど、きめ細かい進学指導が実を結び、2022年3月卒業の261名中100名が国公立大学に現役進学を果たしています。

 学業と並んで重視しているのが、部活動と学校行事です。部活動は運動系・文化系ともに盛んで、野球部やサッカー部のように高3の夏まで活動が続くクラブもあり、多くの生徒が文武両道を実践しています。学校行事はコロナ禍で影響を受けたものの、日数や場所を変更したり、日程を分けて少人数で行ったりするなど、工夫して取り組んできました。

 2023年度入試は、教室の収容人数を減らすなど、感染対策に留意して実施する予定です。2月3日の入試当日は、到着順で受験生を案内し、解散は受験番号順になることも伝えられました。入試問題は、特定の分野には絞らずに均等に出題し、算数は意識的に難度を上げているとのこと。德山先生からは「苦手な教科をなくし、そのなかで算数には少し力を入れておくことがポイントです」とアドバイスがありました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR京浜東北線「新子安」駅、京急線「京急新子安」駅から各徒歩8分とアクセスの良い立地。神奈川県・東京都を中心に近隣県から通学している生徒もいます

https://www.asano.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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