受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖園女学院中学校

2022年5月18日(水)

カトリックの教えに触れ、生徒一人ひとりが持つ尊い使命を見つける

 聖心(みこころ)の布教姉妹会を母体とし、1946年に神奈川県藤沢市に設立された聖園女学院。「踏み出す人に」を教育目標に掲げる同校は、聖書のことば「信念・精励・温順」という校訓の下、カトリック精神に基づく教育を実践しています。

 説明会の冒頭、校長のミカエル・カルマノ先生は学院の沿革について、「本校は宣教師によって創設されたミッションスクールですが、信者を育てることを目的とはしていません。カトリックの教えに触れることで、生徒一人ひとりが持つ尊い使命(ミッション)を見つけられるように、『見つける力・磨く力・認め合う力』を育てています」と説明しました。

 続いて、入試広報部長の小倉茂敬先生が教育内容について説明しました。同校の一日は「ごきげんよう」のあいさつで始まります。また、キャンパス内にある講堂では、ミサや神父様による講話など、カトリックの教えを通して自分自身と向き合う場を数多く設けています。そして、授業の前には必ず「黙想」を行い、心を落ち着かせて集中力を高めます。

 家庭学習では「聖園ノート」を活用。日々の学習計画や取り組みの内容を書き込み、分析していくことで、自立した生活習慣を確立していきます。日常的な学びにICTを活用しており、生徒全員に配布するiPadは、新型コロナの流行による休校期間に大いに役立ったそうです。自宅からオンライン授業に参加したり、課題に取り組んだりできるように、全員にポケットWi-Fiを配布したところ、生徒も学習アプリを使って効率的に学びを深めることができ、発信力・表現力に磨きがかかったとのことです。さらにプレゼンテーション能力も向上し、「SDGs Questみらい甲子園」の県大会に2年連続で出場。小倉先生は「さまざまな体験と充実した施設が聖園生を育んでいます。一人ひとりが安心して過ごせる、温かい雰囲気の学校で、一生ものの友だちをつくってください」と話しました。

 進路指導については、進路指導部長の伊藤直紀先生が担当します。中学では英語・国語・数学を重視して時間数を多く確保する一方、高校では選択科目を多く用意し、さまざまな進路に対応できる体制を整えています。また、放課後に大学生メンターが常駐する「放課後自習支援」のほか、指名制・希望制で行う英語と数学の「放課後教室」、予備校講師の指導による「受験支援講座」(高校生対象)など、学習サポートも万全です。卒業生の約9割が4年制大学に進学するなか、国際学系や看護系、理系の学部に進む生徒も増えてきています。2019年度から海外大学進学協定校推薦制度(UPAS)の加盟校に認定され、進路選択の幅がさらに広がりました。

 続いて、英語科の鯉淵スーザン先生が英語教育について話しました。中学の英語の授業では、基礎をしっかり習得する講読や文法の時間と、ネイティブ教員との英会話で、学んだ英語を自分のものにするよう努めています。その他に、月一回のオンライン英会話ではマンツーマンで話し、十分な発話時間を確保しています。多読プログラムでは、中2で1万5000語、中3で2万語の英語に触れるように取り組んだところ、中学卒業時点の英検®3級取得率が全国平均の3.4倍、高3時点の英検®2級取得率が3倍に向上。さらに、英検®準2〜2級レベルの生徒は、「ACE (Advanced Class of English)」と呼ばれる取り出し授業を設けています。ネイティブの教員とall in Englishで週4時間、日本人の教員と週2時間文法の時間を設けています。「ACE」では、英文学に触れながらディスカションやエッセイに取り組み、自分と社会の接点を考えることで、英語力だけではなく人間性も育みます。

 最後に、中学教頭の鹿野直美先生がカトリック教育について説明しました。鹿野先生は「本校ではカトリックの大きな愛に包まれて、安心感のある学校生活を送ることができます。学校での6年間が、一人の人間としての在り方、女性としての在り方を考えるためのエッセンスとなればと思っています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 外国人教員が常駐する「Misono English Academy(MEA)」では、会話やゲームなどを楽しみながら英語力を磨くことができます

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