受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

市川中学校

2022年5月23日(月)

「生涯学び続ける力」を養う
新時代に求められるリベラルアーツ教育

 1937年に開校した旧制市川中学校を前身とする市川中学校・高等学校は、国公立大学や最難関私立大学にたくさんの合格者を輩出する千葉県有数の進学校として知られています。

 説明会の冒頭、広報部長の高田敏行先生は、建学の精神の一つである「第三教育」について、「家庭における『第一教育』、学校で受ける『第二教育』に対し、『第三教育』とは自分で自分を教育することです。新しいことに挑戦する意欲を持ち、生涯学び続ける力を養うことこそが大切だと考えています」と説明しました。

 その実現をめざし、同校ではリベラルアーツ教育に力を注いでいます。高田先生は「これからの時代に必要なのは、広く教養を身につけ、進学力にとどまらない『真の学力』を育てることです」と強調し、そのために伸ばしておきたい力として、「教養力」「論理的思考力・記述力」「科学力」「国際力」「人間力」の五つを挙げ、それぞれを養成する多彩な取り組みを紹介しました。

 このうち「教養力」については、各界の第一線で活躍する著名人を招いて開講する「土曜講座」、古典の哲学書をテキストにした対話型セミナー「市川アカデメイア」、生徒が主体となって少人数で行う「リベラルアーツゼミ」など、視野を広げ、能動的な学びにつなげる試みが行われています。高田先生は「最終的にはレポートを作成します。本校では書くことに力を入れ、論理的思考力・記述力も鍛えています」と話しました。

SSH指定校として伸ばす「科学力」
国内で実施可能な国際交流も充実

 文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、14年目を迎える同校では、「科学力」を伸ばす教育も重視しています。たとえば理科では、中学段階から実験を中心とした探究的な授業が実施されます。高2では、理系を選択した生徒全員が課題研究に取り組みます。

 「国際力」を培う国際交流プログラムも充実しています。今夏は、イギリスのイートン校での研修を再開する予定とのことです。また、日本で学ぶ留学生と少人数でディスカッションする「エンパワーメント・プログラム」、イギリスの専門家と私立高校8校の生徒がオンラインでセッションする「ダブル・ヒーリックス」など、日本にいながらグローバルな学びができる機会もあります。

 このほか、神田外語大学との連携による「グローバル・イシュー探究講座」では、英語の論文などを参照し、学問的な手法に基づく客観的な探究力を身につけます。また、英語の教養力を試すWSC(World Scholar’s Cup)という大会では、出場した同校の中高生10チームすべてが世界大会への切符を手にしたそうです。

 最後に、「人間力」を高める場として学校行事や部活動が紹介されました。昨年のなずな祭(文化祭)は、一般公開はされなかったものの、生徒が主体となって成功させたそうです。この日の説明会では、中3生による演劇祭の動画が流され、東大生から演技指導を受けながら練習に励む生徒たちの熱い思いに触れることもできました。

イメージ写真 広々としたキャンパスに第三教育センター(図書館)などの学習施設が充実。仲間と切磋琢磨できる環境が魅力です

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