受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

芝中学校

2022年5月25日(水)

「楽しくなければ学校じゃない」
人と人とのかかわりが成長には不可欠

 浄土宗の子弟教育のために1887年に創立された浄土宗学東京支校を前身とする芝中学校・高等学校。校訓「遵法自治」の下、仏教精神にある「共生」を基盤とした人間教育を実践する伝統校です。

 この日の説明会の冒頭、校内見学の代わりとして学校生活の様子を撮影した動画が上映されました。サーモセンサーでの検温や健康表の確認など、新型コロナの感染対策を徹底しての登校風景に始まり、真剣な表情で臨む授業、部活動の様子、図書館などの施設が次々と紹介されます。休み時間に無邪気に遊ぶ姿や、手作りのお弁当を頰張る生徒たちの様子に、会場からも笑い声が起き、和やかな学校の雰囲気が伝わってきました。

 続いて登壇した校長の武藤道郎先生は、「わたしたちは『楽しくなければ学校ではない』と考えます。そして『そのためには、何を守らなければならないか』を生徒自身に考えさせながら、好きなことを伸び伸びとやってもらっています」と話します。高い大学進学実績を挙げる進学校としても知られる同校ですが、武藤先生は「学校で学ぶ意義は、内容そのものよりも人と人との交流です。女子に比べ成長が遅いといわれる男子にとって、女子の目を気にせずに、無邪気にはしゃぎ、笑いながら過ごせる時間は宝物になるはずです。だからこそ、対面授業を重視してきました」と語りました。

 だからこそ、4〜5月に緊急事態宣言が出された2020年度は、8月29日までを1学期とし、さらに3学期の開始を12月7日に前倒しするなど、学事日程を大幅に変更して登校日を確保したのです。「教員や仲間とのかかわりのなかで吸収していくものこそが、男子の成長には欠かせない要素です。社会を牽引するリーダーになる前に、まずは、自分の家族を守るため、大黒柱としてがんばれる男になってもらいたい。家族を思える人は、仲間を思える、それがひいては社会を思う行動につながるからです」と結びました。

切磋琢磨する仲間と重ねる体験と
不自由さのなかでも忘れない遊び心

 運動会や修学旅行などの学校行事も、昨年はできるだけ中止せず、延期や規模を縮小するなど、形態を工夫して実施されました。「心配するのは、わたしたち大人で、生徒たちは今を楽しんでいます」と話すのは高3を受け持つ国語科の西山晴明先生。屋外で遊べなくなった退屈しのぎに、教え合いや難問への挑戦などをするようになった休み時間の様子や、授業資材を再利用して作った蒸気機関の大型模型などを示しながら、「遊び心を持つ生徒が多く、刺激を受けながら競争心も芽生えていきます」と笑顔で解説します。体験プログラムを生徒が選択するのが恒例となっている高2の沖縄修学旅行は、度重なる緊急事態宣言の発令で実施が危ぶまれましたが、高3のみ始業式を遅らせることで4月に実現。シュノーケリングをしながらの洞窟探検や、カヌーに乗ってのマングローブ林探査など、沖縄ならではの体験を満喫した様子も紹介されました。

イメージ写真 生徒の活動を紹介する「芝楽アプリ」から視聴できる文化祭の紹介動画は、私立男子中フェスタのコンテストでグランプリを受賞した秀作です

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