受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

渋谷教育学園渋谷中学校

2022年5月25日(水)

「自調自考」の力を養成し
国際社会で活躍する人材を育てる

 渋谷教育学園渋谷中学校は、国内の難関大学はもちろん、海外の名門大学にもたくさんの進学者を輩出している、首都圏有数の共学の進学校です。

 この日のオンライン説明会の冒頭では、入試対策部部長の鈴木一真先生が「『自調自考』の力を伸ばす」「国際人としての資質を養う」「高い倫理感を育てる」という三つの教育目標について紹介しました。

 まず、「自調自考」とは「自らの手で調べ、自らの頭で考える」という意味です。鈴木先生は「たとえば、時間の管理も生徒にさせるため、本校ではチャイムが鳴りません。休み時間のスマートフォンの利用も自由です。ただし、授業が始まっても切り替えができない生徒には注意します。そのうちに自己管理ができるようになり、高3までには、自習して授業を待つまでに成長します。本校では6年間かけて、自由な環境のなかでも、自分で考えて行動する力を育んでいるのです」と説明しました。

 「国際人としての資質を養う」については、同校には多くの帰国生が在籍していることから、「英語力や国際的な感覚が養われる環境にある」とのことです。「日本の常識にとらわれない帰国生の発言や行動から多様性について学び、国際的な知識や考え方が自然に培われます」と話します。そして、三つ目の「高い倫理感を育てる」については、「ゴミを拾う」「あいさつをする」「約束を守る」のような、「当たり前のことを当たり前にできる生徒を育てたいと考えています」と伝えました。

シラバスを活用した中高一貫教育で
主体的に学習する力を身につける

 同校では、6年間を2年ごとの3ブロックに分け、シラバス(学習設計図)を活用して、それぞれの成長段階に合わせたカリキュラムに沿って学んでいます。まず、Aブロック(中1・2)は基礎・基本を定着させる期間とし、「1日1時間程度の家庭学習を必要とする量」の宿題を出して、学習習慣の確立を図ります。ただし、鈴木先生によると、「30枚のプリントを1か月後に提出」といったように、「課題はまとめて出し、勉強のペースや配分は生徒自身で考えてもらう」とのことでした。ここでも自調自考の力を育てるという方針は貫かれています。また、Bブロック(中3・高1)では宿題を減らし、自主的な学習を促す一方、道徳の時間などを通して、「自分らしさ」や「自分の適性」などについて考える時間を設けています。そして、希望する進路に向けて本格的な学習が始まるCブロック(高2・3)では、選択授業を増やしています。このような学びのスタイルが実を結び、2022年は東京大学38名(現役32名)、京都大学7名(現役5名)をはじめとする最難関の大学や医学部、海外の大学に多くの合格者を輩出しました。

 2023年度入試については、今のところ変更点はないとのことです。鈴木先生は「女子は7割、男子は6割強の得点率をめざしてください。また、合格者と受験者平均の点差が大きいのは国語と算数です。ケアレスミスに注意して、しっかり見直し、点数を落とさないようにしましょう」と結びました。

イメージ写真 透過型薄膜太陽電池ガラスを窓に設置した、地下1階・地上9階建ての校舎。クラブ活動には登戸や宿河原の専用グラウンドも使用します

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