受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中村中学校

2022年5月27日(金)

明るく伸び伸びとした校風の下、「機に応じて活動できる女性の育成」をめざす

 1903年に設立された深川女子技芸学校を前身とする中村中学校・高等学校。「清く、直(なお)く、明るく」という校訓を人格形成の柱に据え、明るく伸び伸びとした自由な校風の下、「機に応じて活動できる女性の育成」をめざしています。

 オンラインで行われたこの日の説明会では、最初に、教頭の江藤健先生から同校の魅力が語られました。同校は、東京都指定名勝である清澄庭園と、庭園に隣接する清澄公園の向かい側に位置しています。こうした落ち着いた環境のなかで、生徒たちは学習や部活動に打ち込み、文武両道を実践しているとのことです。

 次に、入試について説明がありました。同校では「多様な個性を持つ生徒を迎えたい」という思いから、一般入試のほかに特待生入試・適性検査型入試・エクスプレス入試・ポテンシャル入試・帰国生入試など、さまざまな入試を実施しています。2022年度も出願者数が増加し、同校だけを受けた受験生は前年度に比べ13%も増加したそうです。

 2022年春の大学合格実績については、学校推薦型選抜によって東京大学(教育学部)に合格した生徒が初めて誕生したとの報告がありました。江藤先生は「本校には、学校を中心に、バランス良く学習を進めながら、生徒一人ひとりに担任とは別の教員がもう一人ついて、個別にエントリーシートの作成や小論文指導、面接練習などの対応を行う『キャリアサポーター制度』があります。こうした制度を通じてうまくサポートができたと思っています」と振り返りました。

 日々の学習指導では、小テストを頻繁に実施し、ノートや課題の提出なども含めて、ていねいに対応。中学では国語・数学・英語に重点を置いたカリキュラムを導入し、高校からは一般選抜を中心に国公立大学・難関私大学をめざす「先進コース」、総合型選抜・学校推薦型選抜を中心に国公立大学・難関私立大学を目標とする「探究コース」、留学を必須とし、国際力を育成する「国際コース」に分かれます。

 2022年度から本格的に導入された、放課後学習システム「My Tree」についての紹介もありました。これは、集中できる自学自習環境を校内で整備するもので、平日は放課後から午後8時まで、土曜は午後6時まで校内で自習することが可能です。また、AI教材も導入し、生徒一人ひとりの弱点を克服できるような課題も出しているそうです。

 また、キャリア教育では生徒たちがそれぞれ目標とする「30歳からの自分」を設定し、「目標を達成するのに必要なスキルや資格を獲得するためには、どの大学に進むべきか」を考えます。中1・2では自己理解と自己肯定感の獲得を目標にグループワークに取り組み、自分新聞などを作成。中3では社会の仕組みを知るために、職業研究や企業探究などを行います。高1・2では、自分の適性を知るために個人探究に取り組み、高3では目的意識を持ったうえで大学入試に向けた準備を行います。

 江藤先生は「中村で身につくチカラ」として、次の三つを挙げました。一つ目は“EQ”と呼ばれる心の知能指数で、これはキャリア教育を通して培われる自己認識力・自己理解力と、グループワークに取り組むなかで芽生える共感力などから構成されるものです。二つ目は、人生の幅や視野を広げる土台となる認知型“学力”。三つ目は探究活動などで育まれる非認知型“智力”です。江藤先生は「これからの先行きが不透明な社会で求められるこれらのチカラをバランス良く身につけて、正解のない問いに向き合い、『機に応じて活動できる女性』を育てます」と結びました。

 最後に、参加者からの質問コーナーが設けられました。宿題については「英語・数学ではほぼ毎日出されるため、自習が必須となる」とのことです。また、教員の男女比は女性がやや多く、担任が男性の場合も、女性が副担任となるため、さまざまな相談がしやすい環境にあるそうです。

イメージ写真 規模の小さめな学校だからこそ生まれる「居心地のよいアットホームな校風」。生徒と生徒はもちろん、生徒と先生の距離も近いのが特徴です

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