受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

三田国際学園中学校

2022年5月27日(金)

今年度より新クラスがスタート。生徒がみずから「問いを立て、考えること」に重きを置いた学習環境で自由な発想力を養う

 2015年度に、前身の戸板女子中学校・高等学校から改称し、同時に共学化した三田国際学園中学校・高校学校は、インターナショナルな環境を備える進学校です。今春卒業した中学入学の2期生も、多くが国公立大学や難関私立大学、さらには海外大学に合格・進学しました。

 この日の説明会では、最初に、学園長の大橋清貫先生が登壇。「教育改革を進めるに当たって念頭に置いたのは、『親世代が経験したことのない世界で、いかに子どもたちが活躍できるようにするか』ということでした」と話します。教育目標に「世界で活躍するための資質」とされる12のコンピテンシー(探究心、創造性、責任感、異文化理解、リーダーシップ、共創、率先、社会参画、問題解決能力、コミュニケーション、革新性、生産性)を掲げ、学校生活のあらゆるシーンに導入しているのが特徴です。「中等教育の段階から自分の頭で考え、未知の問題を解決する努力を積み重ねることが、これからの教育には必要です」と大橋先生は話しました。

 次に、副校長兼広報部長の今井誠先生は、三田国際の教育における三つのキーワードである「THINK & ACT」「SCIENCE」「INTERNATIONAL」を紹介し、「そのなかでもすべての学びと活動の根底にあるものが『THINK & ACT』です」と強調しました。みずから考え行動していく力を育むための取り組みとして挙げられる代表的なものが「相互通行型授業」です。先生が投げ掛けた問いによって知的好奇心を刺激された生徒たちは、意見を交換し合うことにより自由な発想力を養います。二つ目の「SCIENCE」は、情報収集、分析、構築、表現という科学的アプローチのサイクルを習慣化し、論理的に思考する力を指します。身近なところから問いを立てることから始まり、解決するためにこのサイクルを繰り返すことで、問題解決能力を育みます。三つ目の「INTERNATIONAL」は同校の最大の強みである英語環境です。29人のネイティブ教員が「International Teacher」として、授業だけではなく学級担任を務め、学校行事・課外活動・進路指導にもかかわり、実践的な英語環境を提供しています。また、中学1年生は帰国生が全体の約3割を占めており、日本にいながら海外留学しているような環境で学べることも魅力です。

 続いて今井先生から、2022年度からスタートした新クラスについて説明がありました。今までの「インターナショナルクラス(IC)」、が生まれ変わり、さらに今年度から「インターナショナルサイエンスクラス(ISC)」が加わりました。また、中学2年次からはメディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)が始まります。

 まず「IC」は、今後英語力を飛躍的に伸ばしていきたいという意欲があれば、帰国生だけでなく中学から本格的に英語を学び始める“0ベース”の生徒も対象のクラスになります。今井先生は「中1から段階的に英語力を高め、中2の終わりまでに英語・数学・理科・社会の授業はオールイングリッシュでの指導に移行していきます。授業以外にも放課後レッスン、帰国生との交流や講習で英語力を伸ばしていきます」と話しました。また、留学制度も拡充し、今年度からは中3でターム留学や長期留学を実施します。一方、「MSTC」は理数系や情報分野への意欲が旺盛な生徒対象のクラスです。大学の研究室レベルの設備を整えた三つの「サイエンスラボ」で、自分の興味関心のあるテーマをとことん研究することができます。

 最後に「ISC」では、文理問わず幅広い分野から興味のある講座を受講して探究活動に取り組みます。また、「MSTC」と「ISC」の英語は3段階の習熟度別授業を行い、年1回のアセスメントテストを受けることによりステップアップも可能です。そして最後に今井先生は「今年度から中1のすべてのクラスで『サイエンスリテラシー』を必修とし、論理的に考える素地を養います。そのうえで中2・3ではICは『Academic Seminar』、ISCは『基礎ゼミナール』、MSTCは『基礎研究α』と、クラスごとに名称が異なるゼミナール形式の授業を行い、中3の学園祭で研究の成果を発表します。これからも世界が求める教育を先進的に展開してまいります。ご期待ください」と結びました。

イメージ写真 東急田園都市線「用賀」駅より徒歩5分。高性能の機器や電子黒板を備えたサイエンスラボ、個別ブース型の机を設置した自習室など、充実の設備がそろいます

www.mita-is.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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