受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

頌栄女子学院中学校

2022年5月31日(火)

キリスト教の教えを基盤とした教育を実践し、高雅な品性と国際感覚を育む

 頌栄女子学院は、現校長である岡見清明先生の曽祖父、岡見清致先生によって1884年に設立された女子伝統校です。「神の栄光をほめたたえる」という意味の「頌栄」という校名が示すように、キリスト教の教えを基盤とした教育によって、高雅な品性や豊かな国際感覚を養い、社会のために貢献・奉仕できる人材を育成しています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の岡見清明先生は、同校の教育の特徴について次のように語りました。「中学・高校の6年間は生徒の成長を大きく左右する大切な時期です。本校では女子にふさわしい品性や情操を磨き、豊かな国際感覚、社会に貢献・奉仕できる力が身につくよう、きめの細かい指導を行っています。さらに基礎学力の定着や学習意欲の向上を図り、それぞれの生徒に満足のいく進路を与えることをめざしています」

 同校での一日は朝の礼拝で始まり、週に1回の聖書の授業が必修となっています。また、日曜日には教会に行くように促しているため、週5日制を敷いています。

 伝統的に英語教育に力を注いでいるのも特徴で、高1までは外国人教員による英会話の授業を週2コマ設けています。また、カナダ語学研修(中3希望者対象)、イギリス語学研修(高校生希望者対象)といったアウトプットの場も豊富です。イギリスには2年制の直営校、ウィンチェスター頌栄カレッジがあり、海外留学への道も開けています。

 学校生活については生徒指導部長の塚田智矢子先生が説明しました。同校には、受賞歴のある模擬国連部や聖歌隊、インターハイに出場経験のある弓道部など35のクラブがあります。入部率は9割以上に及び、近年は理科研究部の人気が上昇中です。合唱コンクールなどの行事、キャンプや修学旅行、スキー教室といった校外学習も充実しています。

 一方、学院標語に「讃美と奉仕」を掲げる同校では、生徒会が中心となって、自主的にボランティア活動に取り組んでいます。ワークキャンプを行って老人ホームを慰問したり、障害者との「ふれあい講習会」を開いたりして社会貢献の姿勢を体得する生徒も少なくありません。

 続いて、教頭の小島和夫先生が学習指導や進学について紹介しました。同校では生徒の約2割を帰国生が占め、高1までは1学年5クラスのうち3クラスが一般生と帰国生の混合クラスという編成です。3年間で1度は混合クラスを経験するため一般生も自然と英語に親しめるうえ、多様な背景を持つ生徒たちが互いの文化を分かち合える利点があります。英語の授業は1クラスを2分割した少人数制で行われ、高2から習熟度別となります。高2以降はクラスを文系・理系に分け、高3では選択授業を週3日午後に実施しています。

 進学においては、現役生の半数以上が国公立大学や早稲田大学・慶應義塾大学・上智大学に進学。2022年春、その割合は約57%に達しました。こうした難関大学への指定校推薦枠も豊富に用意されているものの、一般入試で合格できる学力を養う教育方針のため、今春の利用者はわずか1名だったそうです。小島先生は「たとえ進路が早く決定しても、卒業まで学びを続け、大学入学後の学問に対応できる力を培うように指導しています」と述べました。

 入学試験の概要や対策については、広報部長の湯原和則先生が説明しました。2023年の一般入試では、2020年と2021年の2年間中止していた面接が復活する予定とのこと。また、帰国生12月入試に従来の英語1科目入試に加えて英語・算数・国語の3科目入試が新設されます。それに伴い、在留国・在籍校による制限を撤廃して日本人学校在籍者などにも門戸を開き、海外在留期間も「2年以上」から「1年以上」に緩和されます。最後に、湯原先生は「合否の分かれ目となるのは、得点差がつきやすい算数です。求め方を記述する形式の問題では各過程の理由づけを明確にして、計算式に説明を添えながらていねいに解答しましょう」というアドバイスを送りました。

イメージ写真 都営浅草線「高輪台」駅から徒歩1分。緑豊かな中庭、礼拝堂としても使われる多目的ホール、礼法室、武道場などの施設が充実しており、校内にはWi-Fiも完備されています

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