受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協中学校

2022年6月3日(金)

徹底した人間教育で「上品な人間」を育成。獨協医科大学への「系列校推薦枠」も

 獨協中学校・高等学校は間もなく創立140年を迎える、歴史と伝統ある中高一貫の男子校です。獨協の「獨」はドイツを指し、前身は獨逸学協会学校です。戦後は、哲学者で文部大臣も務めた第13代校長・天野貞祐先生の下、三つの大学(獨協大学、獨協医科大学、姫路獨協大学)と二つの中高一貫校(獨協中学校・獨協高等学校、獨協埼玉中学高等学校)を有する学校法人として発展を遂げました。

 校長の上田善彦先生は「本校が最も重視しているのは『人間教育』です。学問を通じて論理的思考力を身につけると同時に、哲学や芸術などにも触れて人文科学的な知性をバランス良く養い、豊かな精神と体力を持った『上品な人間』の育成をめざしています」と話しました。2021年度に新設された獨協医科大学医学部への「系列校推薦枠」については、「学業成績だけではなく、人間性を重視しています」と力強く語りました。獨協高校と獨協埼玉高校の生徒を対象とする計10名の推薦枠があり、初年度である今年は、獨協高校から6名が進学しました。なお、外国語教育に定評がある獨協大学にも推薦枠がありますが、同校の生徒の約6割が理系学部を志望していることもあって、進学者は毎年十数名とのことです。

 次に、教頭の坂東広明先生が「完全中高一貫男子伝統校」「グローバル教育」「環境教育」「さらなるチャレンジ」の四つのキーワードを挙げて教育内容を説明しました。

 まず、「完全中高一貫男子伝統校」について、坂東先生は「男子の成長曲線に合わせた教育を展開しています」と話しました。6年間を2年ずつの3ブロックに分け、「基礎学力養成期」に当たる中1・2では、学習習慣を身につけさせることを最も重視しています。みずからスケジュール管理を行うための「獨協手帳」を用いて時間管理の仕方を指導し、自立した学びに導いていきます。さらに教員による「ノートチェック」を行い、知識の構造化、整理能力が身につくよう指導しているそうです。

 ゲーム感覚で楽しめる希望制の「発展講習」を実施しているのも特徴です。坂東先生は「中3と高1は論理的思考力が飛躍的に伸びる時期です。中3では、テーマ選びから調査・研究までを1年かけて行う『研究論文』に取り組みます」と説明しました。このほか、蔵書数8万冊以上の図書館を利用した「読書会」、文教地区ならではの史跡を巡る「学校周辺文学散歩」なども行い、教科を超えた学びを実践しているそうです。

 二つ目の「グローバル教育」については、英語とドイツ語の取り組みが紹介されました。英語では、週6~7コマある授業のうち2~3コマでアウトプットを行います。「座学だけではなく、実際に使うことで4技能が身につきます」と坂東先生は話します。一方、ドイツ語教育には創立時から注力しており、高1からはドイツ語を第2外国語として選択することもできます。なお、同校は、ドイツ語を学ぶ高校生をドイツ政府が支援する制度(PASCH)のパートナー校です。同制度により世界標準のドイツ語教育を受けられるほか、ドイツへの短期留学やドイツの中等学校(ギムナジウム)との交流も行っています。

 「環境教育」にも早くから取り組んできました。中1から高2までの50名ほどで「緑のネットワーク委員会」を立ち上げ、ビオトープや屋上での野菜栽培、生態系の再現をはじめ、植物の生育実験、ホタルをはじめとする生物の観察、小学校への出張授業など、地域とつながる活動も盛んです。

 最後に、「さらなるチャレンジ」として坂東先生は、「医科大学の講義・講演や獨協大学の留学生との交流も増やし、高大連携をさらに強化しています」と話しました。また、英語ディベート大会の全国大会出場など、生徒による新たなチャレンジについても紹介されました。そして、入試について、「2月1日の午後入試の定員は約20名ですが、10倍以上の合格者を出しています。どの回も得点率65%以上であれば合格できるように問題を作成していますので、過去問に取り組む際の目安にしてください」と受験生にエールを送りました。

イメージ写真 近隣には椿山荘、東京カテドラル聖マリア大聖堂などがある閑静な環境。東京メトロ有楽町線、副都心線のほか都営バスも利用でき、アクセス至便です

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