受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

サレジオ学院中学校

2022年6月6日(月)

生徒と共に歩み、世界に貢献できる真のグローバル人材を育成

 サレジオ学院中学校・高等学校は、19世紀にイタリアのカトリック司祭であるヨハネ・ボスコが創設した教育修道会「サレジオ会」を母体とする中高一貫の男子校です。創立者の教育理念を受け継ぎ、一人ひとりの夢を実現する知識や教養を養成するとともに、問題解決の力や奉仕の心も育んでいます。

 この日の説明会は、校長の鳥越政晴先生のあいさつ動画から始まりました。鳥越先生は、「ここ2年でICT教育は一気に加速しましたが、やはり対面での教育に勝るものはないと実感しています」と述べ、5月に実施された中3と高2の研修旅行の様子や、6月に開催される体育祭などを紹介しました。さらに、カトリック研究会のメンバーによるフェアトレードコーヒー販売のプロジェクトにも触れ、「SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みとしてスタートしたこの活動からは、世界に貢献していこうという生徒たちの気概が感じられます。新型コロナウイルス感染症の流行やロシアによるウクライナ侵攻などが大きな影を落とすなかで、このようなミッションスクールの価値観こそが、世界をより良いものに変えていくのではないでしょうか。本校は、傷つき苦しむ人に手を差し伸べることができるグローバル人材の育成をめざして、日々教育活動を行っています」と力強く語りました。

 次に、入試広報委員長の朝倉広明先生が学校生活や教育内容について説明しました。同校が最も大切にしているのは、生徒と共に歩む“アシステンツァ(アシスト)”の精神です。「常に生徒に寄り添い、『ともに居る』教育を心がけており、生徒と教員の距離が近いのが本校の特徴です」と朝倉先生は言います。また、「25歳の男づくり」をスローガンとして、大学進学の先にある、社会に出た後の成長を見据えた指導が行われています。

 全人教育を重視している同校では、ふだんの学校生活のなかに、人生に対する心構えやキリスト教の価値観を身につける時間を設けています。中学での「宗教」の授業や、神父による週3回の「朝の話」のほか、毎月15日には「お米1合の日」があり、生徒が1合の米を持参します。持ち寄った米などは教会に寄付され、炊き出しの材料として使用されているそうです。朝倉先生は「価値観を数値で測るのは難しいため、身につけてほしい19項目のスキルや価値観を設定し、年1回、生徒が5段階で自己評価する『ルーブリックアンケート』を実施しています。ボランティア活動などに積極的に取り組んだ今春の卒業生はこの数値が高く、進学実績も良い結果が出ています」と話しました。

 部活動は週3日以内で、活動時間も長くないため、学習との両立が可能です。中1はオリエンテーションキャンプや野尻湖林間学校、中2ではスキー教室やクリスマスページェントなどの行事を楽しみ、中3からは職場訪問、高1での2泊3日の進路ガイダンスを通して、進路について考えていきます。高2になると、それまでの均等4クラス編成から文系と理系とを分けた6クラス編成となり、希望制の難関コースも、文系・理系それぞれ1クラス設置。夏休みには勉強合宿も行うなど、学習のサポートもしっかり行っています。

 全員参加のイタリア研修旅行(中3終了後)のほか、カナダへのホームステイ(中3・高1のダブルステイ)や、フィリピン語学研修(高1)、オーストラリア短期交換留学(高1・高2)など、充実した国際教育の取り組みも紹介されました。朝倉先生は「現在はコロナ禍で休止になっていますが、10代のうちに海外に出て、違う文化を知ることには大きな意味があります」と話し、再開への期待をにじませました。

 2023年度入試は、例年どおり2月1日にA試験、2月4日にB試験が実施されます。朝倉先生からは、「2022年度合格者の得点率は約7割でした。理科・社会(各75点)に比べて配点が高い算数(100点)の得点は合否にかかわってくるので、しっかり勉強してください」とのアドバイスがありました。

イメージ写真 今年2月、学院創立60周年記念事業として広大な人工芝グラウンドが完成。昼休みには遊ぶことが奨励されており、生徒は登校すると、ただちに制服から体操着に着替えて伸び伸びと一日を過ごします

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