受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川大学附属中学校

2022年6月8日(水)

先進的な学習環境を整えた豊かな自然の中で、主体的に学び続ける生徒を育む

 1985年に開校した神奈川大学附属中学校・高等学校は、「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」を建学の精神に掲げる中高一貫の進学校です。開校当初は男子校でしたが、1988年に共学化し、すべての授業・課外活動で男女共修を実現しています。

 説明会の冒頭であいさつに立った校長の中野宏一先生は、「中学入学後は、まず学校生活のリズムをつくり、そのうえで勉強以外の部活動や学校行事などに積極的に参加してほしいと思います」と語りました。続けて、中高のうちに自分が最大限に活躍できる目標を見つけることの重要性に触れ、「本校では、知力に加えて人間力も養い、社会に貢献できる人を育成したいと考えています。さまざまなプログラムを通して、生徒たちが視野を広げ、大きく羽ばたいていけるように力を尽くしていきます」と強調しました。

 次に、副校長の小林道夫先生が教育内容を説明しました。早くからICT教育を取り入れている同校では、全教室に電子黒板とWi-Fiを完備し、1人1台のタブレットパソコンを必携としています。授業で使う教材のデータなどはクラウドにアップされ、学習管理や連絡事項の確認を生徒たちが自分で行う仕組みです。小林先生は「ICTを活用して効率的で主体的な学びを展開し、生徒一人ひとりの学力向上とともに、新大学入試制度への対応もめざしています」と話します。

 一方、グローバル教育にも力を入れ、横浜・鎌倉の地域調査や国内外での校外学習を通して「世界を視る目」を養います。また、他者とのコミュニケーション能力を育成するため、少人数制の英会話の授業、4日間の英語漬けのプログラム「BEC(Breakthrough English Camp)」、オンライン英会話なども実施しています。同校では、アメリカやイギリスの提携校への海外協定大学推薦制度(UPAA)を導入しているので、国内大学と併願しながら、進路の選択肢を海外へと広げることも可能です。

 さらに、理数教育やリベラルアーツを学習するSTEAM教育も重視しています。同校では、神奈川大学との高大連携プログラムによって、DNA実験講習や宇宙エレベータープロジェクトなど、最先端のテクノロジーを学ぶことができます。また、中3・高1には週1時間の「探究の時間」があり、各教員がそれぞれの専門分野のテーマで、20以上のゼミを設定。生徒は希望の分野のゼミに所属し、調査・実験・分析からプレゼンテーション、論文執筆までを行います。小林先生は「インタビュー先へのアポイントも生徒自身が行います。チームでの協働や、みずからの興味を追究する活動は、卒業後の進路にもつながっています」と述べました。

 続いて、今年度から英語と数学で実施している「少人数・習熟度別授業」についても説明がありました。中1・2は1クラスを2分割し、20名弱のクラスで手厚くサポートを行います。中3・高1では2クラスを3分割した習熟度別クラスとなり、全体を底上げすると同時に上位層を伸ばし、高2・3からは進路に応じたクラス編成になるとのことです。

 生徒の学習のサポート体制が充実していることも同校の魅力の一つです。多彩な講習やセミナーを開催するほか、放課後に4~5名の卒業生が学校を訪れ、学習支援を行うTA(Teaching Assistant)制度もあります。こうした学習指導の成果が実を結び、2022年度は東京大学3名を含め国公立大学に77名、早慶上理に123名の合格者を出しています。

 小林先生は、「本校は『学び続ける生徒』を育てる学校です。中学受験をゴールとするのではなく、自分のやりたいことを見つけてチャレンジし、体験を重ねながら進路を見つけていく6年間にしてほしいと思います」と力強く語りました。

 2023年度入試については、2月2日午前の第2回入試と2月4日午前の第3回入試の国語の出題形式に変更があります。「詳細は学校のホームページでご確認ください」とのことでした。

イメージ写真 首都圏有数の広大な敷地を誇り、全天候型の陸上グラウンドなどの運動施設も充実。四季折々の自然を感じる緑豊かなキャンパスで、生徒たちは伸び伸びと育ちます

www.fhs.kanagawa-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ