受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東洋英和女学院中学部

2022年5月30日(月)

「敬神奉仕」に基づく教育を実践し、他者のために自分を生かす女性を育成

 明治期の日本の女性教育の推進をめざし、1884年にカナダ・メソジスト教会の女性宣教師マーサ・J・カートメルによって開設された東洋英和女学院。創立以来一貫して、プロテスタントの精神を根幹とする人間教育を実践している伝統校です。

 この日の説明会は、学院オルガニスト・武田ゆりさん演奏によるパイプオルガンの厳かな音色から始まりました。中学部長の石澤友康先生は、講堂内にも掲げられている学院の標語「敬神奉仕」について、次のように説明しました。「これは『神を敬い、隣人を愛する』という意味で、1928年に掲げられました。建学の精神を表すこのことばの実践者として『他者のために、なすべきことを自ら考え、行動できる人物』を育てるというのが本校のディプロマ・ポリシーとなります」

 こうしたキリスト教の教えを基盤に、同校は「国際性を養う」「タラント(才能・賜物)に気づく」「感性教養を磨く」を教育の三本柱に据えています。石澤先生は「本校が育成をめざしている生徒像に導くためには、自己を肯定する『自己理解』と、他者を尊重できる『他者理解』が必要です。本校には自己肯定感がとても高く、本校で学んでいることに誇りを持っている生徒が多くいます。また、友だちも大好きで、『友だちも神様に愛されている人物だから大事にしなくてはいけない』という感性が養われている生徒が多いです」と述べました。

 英語教育については、4技能の基礎となる読解力を重視していることに触れ、「本校では『本を読む』『文字を読む』という取り組みを大事にしており、入学試験でも『読むこと』を問うています」と強調しました。また、海外研修などをサポートする「海外留学支援室」や、生徒全員が所有しているノートパソコンにトラブルが発生した場合に対応する「ICT支援室」など、生徒の学びを支えるための組織についても紹介しました。

 続いて、中学部教頭の柿野滋子先生が、在校生に行ったアンケート結果をもとに、学校生活・教育課程などについて説明。「校舎のなかでいちばん好きな場所」という質問で、生徒の40%が挙げたのは、この日の説明会が行われた大講堂でした。ここでは毎朝15分間の礼拝のほか、イースターやクリスマスなど、節目節目で礼拝が行われています。

 一方、自分とは異なる文化を持つ人々と心を通わせるためのツールとして「生きた英語」を習得してもらおうと、同校では中1からクラスを2分割した少人数制で英語の授業を実施しています。中3からはグレード制で学び、きめの細かい指導を行っています。海外研修も充実しており、中3~高2の希望者を対象とした、2週間のオーストラリア研修や3週間のカナダ研修のほか、2~3か月の短期留学制度もあります。

 理数教育については、20人以下の少人数での授業を行う一方、小テストを頻繁に実施するなど、ていねいな指導を通じて、しっかりとした基礎学力を育成します。そして、定期テストの結果が思わしくない中1・2の生徒には、卒業生による「チューター制学習支援プログラム」も行っています。また、充実したICT環境を整え、さまざまなアプリを探究学習などの新たな学びにも活用しているとのことです。

 最後に、卒業後の進路について説明がありました。6年間の充実した学びを経験した生徒たちの進路指導にも、同校の建学の精神が反映されています。柿野先生は「毎年、医学部医学科に多数の卒業生を輩出している一方、東京藝術大学への進学者も毎年のようにいます。生徒一人ひとりが自分の使命と希望にかなった進路に進めるように、全力でサポートします」と述べました。

イメージ写真 大講堂に設置された、厳かな音色を奏でるパイプオルガン。課外教室のオルガン科に所属する中級者以上の生徒には、朝の礼拝奉仕などで演奏する機会があります

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