受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

北鎌倉女子学園中学校

2022年6月4日(土)

一人ひとりの「好き」を伸ばす、ICT教育と伝統教育の「ハイブリッド教育」を実践

 1940年に創設された北鎌倉高等女学校から発展した北鎌倉女子学園中学校高等学校は、緑豊かな北鎌倉の丘の上に建つ中高一貫の女子校です。学園長には、開成中学校・高等学校の前校長の柳沢幸雄氏を迎え、「のびやかな自立した女性を育む」という教育理念の下、世界で活躍できる女性の育成に努めています。

 オンラインで行われたこの日の説明会は、校長の佐野朗子先生のあいさつからスタートしました。佐野先生が「自然に囲まれた安心・安全な教育環境で、未来をしなやかに生きていくために必要な心身とスキルを育てるのが本校の目標です。本日の説明を、学校選びの一助にしていただけたら幸いです」と話すと、画面は進行役である入試広報部長の川島彩先生に切り替わり、具体的な学校紹介に入りました。

 最初の話題は、2017年度から始まった教育改革「ジエシカ改革」です。「ジエシカ」とは、四つの改革項目の頭文字から取ったもので、「ジ」は「自主性の尊重・受験に強い授業」、「エ」は「英語教育の抜本的強化」、「シ」は「施設・備品の一新」、「カ」は「鎌倉に密着した体験学習」を意味します。これらを通じて、「生徒一人ひとりが自分の『好き』や『得意』を見つけ、その力を伸ばしてもらうためのものです」と、川島先生は改革の狙いを説明しました。

 同校は、2019年よりApple社のテクノロジーを活用した革新的な教育機関として「Apple Distinguished School(ADS)」に認定されています。1人に1台のiPadを貸与するなど、ICTに強い学校として知られていますが、その教育内容はけっしてICT一辺倒ではありません。鉛筆を持って原稿用紙に作文を書く、紙の辞書を引いてことばの意味を調べるなど、同校が長年重視してきた伝統的な学習法も大切にしています。川島先生はこれを、ICT教育と伝統教育とを掛け合わせた「ハイブリッド教育」と呼び、今後さらに力を入れていく予定であることを強調しました。

 また、英語教育にも定評があり、「English Room」と呼ばれる英語専用の教室には、4人のネイティブ教員が常駐しており、生徒たちは放課後の時間を使って、自由に利用することができます。英検®の2次試験対策や英会話の練習など、特定の目的がある生徒はもちろん、ネイティブ教員とボードゲームやおしゃべりをするのを楽しみに、ふらりと立ち寄る生徒も多いのだとか。川島先生はこれを「学内に、通い放題の英会話教室があるようなものです。英語の得意な生徒だけではなく、苦手意識を持っている生徒、これからがんばりたいと思っている生徒にこそ活用してほしいと考えています」と話しました。

 同校は、「先進コース」と「音楽コース」の2コース制をとっています。「先進コース」では、「Communication, Collaboration, Critical Thinking, Creativity」の「四つのC」を育成する新しい授業を行っています。たとえば「先進英語」では、特定の教科書や問題集は使わず、リスニングの題材にビートルズの曲を使ったり、iPad内のアプリで単語学習や表現学習をしたりと、自由なスタイルで楽しみながら英語を学びます。また、「先進的な学びの時間」には、ドローンの操縦やプログラミングなど、創造的な活動に取り組みます。一方「音楽コース」は、高校の音楽科を経て、音楽大学をめざすための専門コース。音楽専門コースを持つ中学校は国内でも珍しく、同校の大きな特徴といえます。

 最後に川島先生は、「2023年度の入試要項は夏以降に発表予定です」と前置きをし、2022年度の要項を紹介しました。特徴は「日本語4技能」「かんたん英語プレゼン」など、ユニークな方法で選抜している点です。「入試でも子どもたちの『好き』を発揮してもらうことが狙いです。本校でその力を伸ばしてくれることを楽しみにしています」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 中1「先進英語」の授業。Kahoot!やPear Deckなどのアプリを使って、クイズ形式で単語を学んだり、ワークを行ったりします。中1からiPadを使いこなしています

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