受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

豊島岡女子学園中学校

2022年6月8日(水)

努力する大切さを学び、個々の才能を磨きながら、豊かな人間性と高い学力を身につける

 豊島岡女子学園中学校・高等学校は、1892年に女子裁縫専門学校として創立され、やがて牛込高等女学校に発展し、戦後、池袋に移転して現校名となった女子進学校です。130周年を迎えた今年度から高校募集を停止し、完全中高一貫校に移行しました。この日のオンライン説明会では、最初に、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生が、同校の2022年度の入試結果を振り返りました。それによると、3回実施された一般入試のうち、2月2日の1回の実質倍率が2.4倍だったのに対し、3日の2回は9.9倍で、4日の3回は10.3倍でした。広野先生は「これだけ倍率が高いと、わずか1点の差で合否が分かれます。人気校で、複数回受験する人もたくさんいますが、平常心を保ち、ケアレスミスのないよう臨んでください」とアドバイスしました。

 次に、校長の竹鼻志乃先生が教育内容について説明しました。同校では教育方針に、人として正しい道を実践する「道義実践」、こつこつと真面目に努力を積み重ねる「勤勉努力」、一人ひとりが持っている才能を見つけ、磨き育てていく「一能専念」の三つを掲げています。それらを実現する取り組みの一つとして、約70年間、伝統的に続けてきたのが、毎朝5分間の「運針」です。この運針は「無心になって針を進めることで、集中力を鍛え、何事にも平常心で臨めるようになる」効果があり、「基礎・基本の大切さ」「努力を積み重ねることの重要性」「特技を持つことの強み」を生徒たちに実感させる貴重な時間となっています。

 また、「学力」と「人間力」の養成を重視し、「授業第一」の教育を実践するとともに、全員参加のクラブ活動や、生徒が運営する文化祭や運動会などの学校行事にも力を入れています。「6年間で、勉強以外に没頭できるものを見つけ、仲間と喜びや感動を共有し、困難を乗り越える経験をしてほしいと願っています」と竹鼻先生は話します。さらに、中学からキャリア教育も行います。社会で活躍するOGに話を聞く「輝く先輩に学ぶ」(中1・2)や、卒業生インタビュー(中2)など、自分の生き方を探る機会を設けています。

 中高一貫のカリキュラムについても紹介がありました。中学では、数学は代数と幾何、社会は地理と歴史のように分けて、並行して異なる先生が指導しています。また、英会話はクラスを分割して少人数で学びます。高1では、グループによる探究活動や、「ディベート英語」といったハイレベルな授業を行っているのも特徴です。高2からは自分の進路希望により文系・理系に分かれ、探究活動は個人で取り組むようになります。高3では大学入試に向けた選択制の演習授業が増加します。ただし、大学進学後も必要とされる学力を養うとの考えから、数学は全員が履修します。また、英語では、最新のサイエンスニュースを扱う「科学英語」といった授業も文系・理系ともに行っています。

 2018年度よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている同校では、課題探究型の学びも重視しています。「科学的思考で課題を解決できる力」「挑戦する力」「世界で活躍できる力」を伸ばすことをめざし、さまざまな取り組みが行われています。その例として、竹鼻先生は、決まった答えのない課題について調査・研究し、発表まで行う「Academic Day」、テーマに沿ってモノづくりに励み、課題を解決する力を育む「T-STEAM:Jr」、より挑戦性の高い「T-STEAM:Pro」(希望者)などを紹介しました。

 グローバル教育については、英語の授業での経験を基礎としています。今年度からは習熟度別の英会話の授業も行っていますが、そこでは日常会話に加えて、科学実験や数学でよく出てくる表現を学ぶなど、内容も充実させています。また、中学生の成績上位者を対象にした、外国人教員による課外授業「English Special Lessons」も開始しました。

 最後に竹鼻先生は、「切磋琢磨できる仲間と共に、さまざまなことにチャレンジをしたい、みずからを高めたいという意欲的なお子さんが本校に合っています。『好きなものを好き』と言える本校で、ぜひ自分の可能性を広げてください」と伝え、話を締めくくりました。

イメージ写真 JRほか複数路線が乗り入れるターミナル「池袋」駅からは徒歩7分、東京メトロ有楽町線「東池袋」駅からは徒歩2分の立地で、その利便性の高さから、広い範囲から多彩な生徒が集まります

toshimagaoka.ed.jp 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ