受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

芝浦工業大学附属中学校

2022年6月10日(金)

中高大が連携した特色ある理工系教育で、未来のエンジニアを育成する

 1922年創立の東京鐵道中学を前身とする芝浦工業大学附属中学高等学校は、1982年に中学校を開設し、中高6か年の一貫教育をスタートしました。その35年後の2017年には、現在の豊洲キャンパスに移転すると同時に、高校を共学化。校名に「附属」の2文字を加え、現校名となりました。2021年度の中学の共学化に伴いカリキュラムを一新し、日本で唯一の中高大一貫の理工系教育校をめざしています。

 説明会の冒頭、校長の佐藤元哉先生があいさつに立ち、求める生徒像と育成したい能力について話しました。佐藤先生は「本校は、算数・理科・実験・ものづくりが好きなお子さん、理系の職業を志望するお子さんが入学してくることを前提にカリキュラムを組んでいます。『理工系人材の育成』をめざす本校の方針をご理解いただいたうえで、受験してください」と強調しました。

 次に、広報部長の杉山賢児先生が、具体的な教育内容について説明しました。教育の柱は「理工系教育」「大学連携教育」「三つの言語教育」「グローバル教育」の四つです。「理工系教育」では、Science・Technology・Engineering・Arts・Mathematicsを総合的に学ぶSTEAM教育を主眼に置き、理数系以外の全教科で科学技術とのかかわり合いを学ぶ「ショートテック・アワー」や、教科書にはない多様な実験を隔週2時間の特別授業として行う「サイエンス・テクノロジーアワー」(中3)などを通して、理工系のスペシャリストを育成します。また、「大学連携教育」として、中1から芝浦工業大学で特別授業を実施。たとえば、中2の「ロボット講座」では、芝浦工業大学が開発した教育用ロボット「ビートル」を、1人1台製作。完成後はロボットを操作してトーナメント式の障害物競争を行うなど、“わくわく感”を大切にした学びを実践しています。

 「三つの言語教育」では、日本語・英語・コンピュータ言語の三つを学び、論理的思考や言語技術のレベルアップを図るとともに、ドローンやロボットのプログラミング制御などを学習します。そして、「グローバル教育」として、中3全員が「海外教育旅行」に参加。アメリカのワシントン州、ユタ州、コロラド州のなかからコースを選択し、生きた英語や文化などを体験します。さらに、芝浦工業大学への内部推薦合格者を対象とした「早期推薦短期留学」もあり、高3の3か月間、アメリカ・カナダ・ニュージーランドの現地高校に留学することも可能です。

 これに加え、同校の特色ある教育として2021年度からスタートしたのが、ITとGC(Global Communication)を活用した探究活動「SHIBAURA探究」です。ITでは、デザイン思考を取り入れながら多くのITツールの操作を体験し、PBL(問題解決型学習)に取り組みます。GCは、協働しながらPBLに取り組むことで、コミュニケーション力、発想力、創造力などを身につける活動です。中1は豊洲、中2は長野で体験学習を行い、そして中3では海外教育旅行でアメリカを訪れるなど、次第に世界に目を向けながら、環境や人々について知り、未来を想像する力を育みます。

 最後に、サピックス小学部で学んだ中1生2名が登壇し、「学校では理科の実験の授業が楽しい」「サピックスの『基礎力トレーニング』と『コアプラス』にしっかり取り組んで基礎固めをしました」などと話してくれました。

 2023年度入試に大きな変更はありませんが、2024年度からは2月4日の第3回入試を廃止する予定だということが発表されました。

イメージ写真 校舎の1階には、予約制で見学できる「しばうら鉄道工学ギャラリー」を併設。理科実験室や技術室など、理工系教育を支える設備も充実しています

www.ijh.shibaura-it.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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