受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

新渡戸文化中学校

2022年6月11日(土)

一人ひとりの個性を120%成長させ、社会の幸福に貢献できる「自律型学習者」を育成

 東京・中野区にある新渡戸文化学園は、子ども園(幼稚園)から短期大学までを擁する総合学園です。教育者・農学者であり国際連盟の事務次長も務めた新渡戸稲造博士と、その弟子の森本厚吉博士らによって1927年に開設されました。2027年の創立100周年を前に、名門公立中高一貫校で教鞭をふるった校長や教員たちがタッグを組み、2019年から「学校大改革」を推し進めています。その先進的な取り組みから、経済産業省の「未来の教室」モデル校にも選定されました。

 オンラインで開催されたこの日の説明会では、校長の小倉良之先生が近年の大学入試改革に触れ、「予測困難な未来に対しては偏差値重視でなく、他者と協働しながら最適解を創り出す教育が必要です」と述べました。同校の教育カリキュラムの核を成すのが、基礎的な知識・技能を身につける従来型の学び「Core Learning」、教科を横断したプロジェクト型の学習「Cross Curriculum」、企業や外部団体と連携し社会課題の解決に挑む「Challenge Based Learning」の頭文字をとった「3C」です。小倉先生は「これらの教育を通して育てたいのは、みずから主体的に学び続ける『自律型学習者』です。自分と社会の幸せをデザインできる人材育成をめざしています」と力強く語りました。

 続いて、広報部の奥津憲人先生が三つのキーワードを挙げながら教育内容を紹介しました。一つ目は「本気で自律をめざす学校」です。同校が重視している「生徒との対話」について、奥津先生は「『どういう状態?』『どうなりたい?』『私にできることはある?』と繰り返し問いかけることで、『創造表現』『情報活用』『自己理解』『選択』『対話』『つながり』という六つの自律型コンピテンシー(資質・能力)が育っていきます」と述べました。また、対話を深めるために不可欠な要素として、「心理的な安全性」「自分をコントロールする力」を挙げ、「自分の夢ややりたいことを表す『学びのミライ地図』『アウトプット型三者面談』などを設け、自分自身を知る機会を設けています」と説明しました。

 二つ目は「青天井の余白がある学校」です。同校では、生徒一人ひとりの希望や進度に合わせて個別最適化学習に取り組んでいます。「Core Learning」の取り組みとして、毎朝30分間の「朝活動」を設け、それぞれのレベル・ペースに合わせた学習「コアチャレンジ」に各教科で取り組みます。「Core Learning」では、「Qubena(キュビナ)」というAI型学習教材を活用しているのも特徴です。個々の学力に応じて学習が進められるので、中1で中学校の数学の学習内容をほぼ終えてしまう生徒もいれば、中2で中学までの英語の学習範囲を学び終えて英検®準2級を取得した生徒もいるそうです。

 最後に「未来に挑戦する学校」への取り組みが紹介されました。「100人の大人につながる」プロジェクトや、学外で本物に触れる体験型学習「スタディーツアー」など豊富なプログラムが用意されています。「いろいろな刺激を受け、やりたいことが見つかったら『Cross Curriculum』の時間を使って取り組むことができます。毎週水曜は1日丸ごと探究の時間となっています」と奥津先生。社会課題の解決を選択した生徒たちは、実際に企業や大学などと連携した取り組みを進めているそうです。

 奥津先生は「『テストのためではない勉強をしたい』『先生の指示を待つのではなく、自分で考えて学びたい』『ほかの学校では経験できないことをしたい』『好きなことを突き詰めたい』といった思いがあるお子さんを歓迎します」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 自由なものづくり施設「VIVISTOP NITOBE」や、プレゼンテーションの場となる「NITOBE THEATER」など、生徒の創造力や表現力を育む施設・設備が整っています

www.nitobebunka.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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