受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田大学高等学院中学部

2022年6月13日(月)

幅広い教養教育で、建学の精神を引き継ぐ“早稲田スピリット”を育成

 早稲田大学の前身である東京専門学校の予科として1908年に設置され、1949年に新制高等学校として開校した早稲田大学高等学院。中学部を2010年に開設し、早稲田大学の建学の精神に基づいた一貫教育を実践しています。

 この日、SAPIX代々木ホールで行われた説明会では、初めにサピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生が、同校の入試について解説しました。広野先生は、合格力判定サピックスオープンの結果と合格者の偏差値に触れながら、「偏差値52~56以上の生徒は高い確率で合格している」「算数・国語が各100点、理科・社会が各80点と、他校に比べて理科・社会の配点が高いため、4科バランス良く学習することが重要」と話しました。

 次に登壇した学院長の武沢護先生は、同校の周辺の環境について、「生徒たちは毎日、校門から続く、参道のようなけやき並木を通り、気持ちを『学院モード』に切り替えて登校しています」と紹介し、教育方針に関する説明に移りました。

 早稲田大学の附属校である同校は、大学と一体化した運営を行っており、生徒が大学の施設や設備を利用できる点が大きな魅力です。学内でも、ICTを活用した教養教育、大学の各学部と連携した高大接続プログラム、国際交流や多彩な留学プログラムなど、受験勉強にとらわれず、伸び伸びと学べる教育プログラムが整備・展開されています。また、これまで医学部への進学を希望する生徒は他大学を一般受験する必要がありましたが、日本医科大学への指定校推薦制度が設けられ、2022年度は2名の生徒が制度を利用して同大学に進学しています。

 武沢先生は、早稲田大学の教育理念である「学問の独立」「学問の活用」「模範国民の造就」について、「『学問の独立』とは、知的好奇心旺盛にして、みずから進んで学ぶこと。『学問の活用』とは、教科で学んだことをその教科とは別の何かほかの分野で活用し、さまざまな課題に対して、創造的に課題解決することに挑戦すること。『模範国民の造就』は、よりよく生きることであるととらえ、体を鍛え、個性を磨き、みずからが犠牲になることをいとわずに世の中に貢献することです」と話し、こうした教育が“早稲田スピリット”を育てていることを強調しました。

 続いて、中学部教務主任の井上泰弘先生が教育内容について話しました。同校の教科学習の特色の一つに挙げられたのが外国語です。英語の授業は、中1で週6コマ、中2・3で週7コマ行われています。ネイティブ教員によるコミュニケーションや国際理解の授業のほか、英語によるプレゼン資料作りやディスカッションも行っています。また、2月に行われるスピーチコンテストでは、学年ごとのテーマに沿って全員が英語によるプレゼンテーションを行い、相互評価によりクラス代表を決定し、本番に挑みます。高校で学習する第二外国語は、ドイツ語・フランス語・ロシア語・中国語のなかから一つを選択し、3年間継続して学びます。

 オリエンテーション合宿(中1)、早稲田大学の外国人留学生と交流し、異文化を理解するアウトリーチプログラム、東京六大学野球(早慶戦)の応援、芸術鑑賞教室など行事も多彩です。宿泊を伴う研修も各学年で行われ、中1は奈良、中2は長野、中3は長崎・佐賀に訪問します。研修中に一日の行程を生徒たちで考えて行動するグループ研修(中1・中3)や、一日の旅行プラン(4コース)すべてを生徒たちが考え、それぞれのプランを生徒たち自身の手で責任をもって実践するコース別自主研修(中3)を行っています。そして、宿泊研修の成果は11月の学習発表会で発表します。また、生徒の探究活動を奨励するための同窓会による「学術研究奨励金制度」もあり、生徒の自発的な活動をサポートする多面的な取り組みが紹介されました。

 入試については、コロナ禍で実施されていなかった面接を2023年度は実施する方向であることが発表されました。井上先生は「生徒とのミスマッチが起こらないよう、本校の特性をよく理解していただいたうえで志望してください」と結びました。

イメージ写真 西武新宿線「上石神井」駅から徒歩7分、四季折々の姿を見せるけやき並木を通って校舎に向かいます。人工芝グラウンド、二つの体育館、テニスコート6面など、運動施設も充実しています

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