受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

和洋九段女子中学校

2022年6月15日(水)

「和」と「洋」の両輪の教育で、生徒の潜在的な才能を開花させる

 1897年に創立された和洋裁縫女学院を前身とする和洋九段女子中学校高等学校。校訓に「先を見て齊(ととの)える」を掲げ、未来を見通す知性を持ち、どんな困難にも柔軟に対応できる女性の育成に力を入れています。

 この日のオンライン説明会は、校長の中込真先生による教育改革の話題からスタートしました。同校では、2017年度から「伝統と先進の融合」をテーマに教育改革を推進しています。その内容について、校名である「和洋」を、伝統の学びを表す「和」と、先進的な学びを表す「洋」に分け、二つの視点から説明しました。

 まず、「和」の学びとして紹介したのが、礼法・茶道・華道・書道といった伝統教育です。中学ではこれらを必修科目とし、日本の伝統的な慣習や所作の習得をめざします。また、生徒一人ひとりに目を配り、取りこぼしを防ぐていねいな学習指導も伝統の一つ。中込先生は、「女子伝統校として『誰一人取り残さない』をモットーに、生徒の相談や質問にすみやかに対応できる環境を整え、きめ細かくフォローしています」と話しました。

 次に「洋」の学びとして紹介したのが、「英語教育」「PBL(Problem Based Learning)型授業」「ICTリテラシー」です。まず、英語教育では、6人のネイティブ教員による指導で日常的に英会話に触れる機会を用意。高校卒業までにCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)の上級レベルの取得を目標に掲げ、海外大学への進学が可能な高い英語力を養成しています。また、中学の「グローバルクラス」は、授業のみならず、ホームルームもオールイングリッシュで行われます。初めは戸惑う生徒もいるとのことですが、「入学して2か月ほどで問題なく聞き取れるようになります」と中込先生。さらに「グローバルクラス」は、帰国生や英語上級者向けの「アドバンスト」と、これから英語に力を入れていきたい生徒のための「インターミディエイト」に分けて指導を行うため、一人ひとりの習熟度や目標に合わせた英語学習が可能です。

 次に、中込先生が「本校の最も特徴的な教育」として紹介したのが、問題解決型学習に取り組むPBL型授業です。これは「課題を受け取る」→「一人で考える」→「チームで討議する」→「プレゼンテーションを行う」→「全体に共有する」の一連の流れを、すべての教科で実践し、思考力や表現力を養うもの。チーム内発表は短時間にまとめ、クラスメートの発言が終わったら必ず拍手をするといった工夫によって、自発的に発言する習慣が身につき、生徒たちの学習姿勢にも大きな変化が見られるようになったそうです。

 そして、ICTリテラシーについては、1人に1台のiPadを貸与し、あらゆる場面で活用。端末の使い方はもちろん、インターネットを利用する際のマナーやルールについても学び、情報化社会にふさわしい高いリテラシーを身につけます。

 中込先生は、これら三つを「21世紀の読み書きそろばん」と位置づけ、「大切なのは、これらを身につけた先にあるもの」と話します。そして、その活用例の一つとして、大使館や企業、大学と連携を図り、さまざまなプロジェクトを推進する「Connected School」について紹介しました。「具体的な取り組みをご覧ください」と再生した動画では、成城大学とともに、長野県の地方創生プロジェクトに取り組む生徒たちの姿が紹介されました。

 最後に中込先生は、「本校の生徒は、入学時はおとなしい子ばかりです。しかし、そこからPBL型授業を通して、自分の意見を堂々と発言できるまでに成長します。本校は皆さんの潜在的な才能を開花させる学校です。どうか、楽しみに入学してください」とメッセージを送りました。

イメージ写真 240㎝×600㎝の大型スクリーンを備えたフューチャールームなど、最先端の設備がそろう校舎。成長期の生徒の健康に配慮した「バランスメニュー」を提供するカフェテリアもあります

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