受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

フェリス女学院中学校

2022年6月3日(金)

自主性が尊重される自由な環境で
主体的・対話的な力を伸ばす

 横浜の山手の丘の上に建つフェリス女学院中学校・高等学校は、1870年、キリスト教宣教師のメアリー・E・キダーによって設立された、日本で最初の女子教育機関の一つです。「キリスト教信仰」「学問の尊重」「まことの自由の追求」を教育方針に掲げ、豊かな知性と教養を備えた、真に自立した学習者の育成をめざしています。

 横浜・はまぎんホールで開催された説明会には、募集広報委員長の近藤華子先生が登壇し、教育内容について説明しました。自由な校風で知られる同校では、「自ら学び、自ら考える」ことを大切にした教育が行われています。授業には実験・観察を多く取り入れ、体験を通して主体的に学ぶ姿勢を育んでいます。また、自分の考えを整理して深めるために、「書く」ことには特に力を入れています。「中1では、書くことに特化した少人数制の『国語作文』の授業があり、そこでは観察や描写をする技術、自分の考えを論述する技術を学びます。国語以外の教科・科目でもレポートを書く機会を設けているため、生徒たちには書くことへの抵抗感がありません」と近藤先生。さらに、中1・2の国語と英語では多読の課題に取り組み、情報をインプットする力も高めているそうです。

 他者とのかかわりのなかで、自分の考えをより発展させることができる、「対話による学び」も重視しています。「中1からディスカッションやディベートの経験を積み重ねるので、自分で問いを立てることや、対話の方法を考えることができるようになります。教員室前のオープンスペースでは、生徒と教員の対話も活発に行われていて、学校全体に自由な学びの場が醸成されています」と近藤先生は話しました。

“For Others”の精神の下、
豊かな学びで可能性を広げる

 「深い学びと幅広い学び」を実践しているのも同校の特色です。授業は各教科を細分化して、それぞれの教員が専門性を発揮しながら指導に当たります。高1までは全員がほぼ同じ内容を学習するのは、幅広い分野についてさまざまな視点から考え、知識・教養を身につけるためです。6年間にわたり、音楽と聖書の授業があるのも特徴の一つ。抽象的なテーマで真剣に語り合う修養会(中1・2、高1)のほか、最先端の研究や国際的な問題に触れる講演会、自然の中でのフィールドワーク(中3)、戦争や平和について考える広島研修旅行(高1)など、同校の教養主義に基づく多彩な学びの機会があります。

 高2からは選択科目が増えます。文系・理系などのコース制ではなく、一人ひとりが自分の興味・関心および進路に応じて履修科目を組み合わせ、より専門的な知識を身につけ、高度な思考力を養います。進路別のクラス編成を行っていないのは、異なる道を志す多様な友人とかかわりを持てるようにするためです。

 近藤先生は「一人ひとりの個性を大切にするフェリス生の基盤にあるのは、キリスト教の精神です。“For Others(他人のために)”という教育のモットーも、長い年月をかけて培われてきました。本校では、その伝統を守りながら、新しいことにもチャレンジしていきます」と語りました。

イメージ写真 今年、装いを新たにした中庭と石段。登下校中の生徒の目の前には、横浜の街並みと青い空が一面に広がります

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