受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

女子学院中学校

2022年6月7日(火)

「己の力を他者のために使う人に」
キリスト教に基づく人間教育を実践

 1870年、築地居留地内に創立されたA六番女学校を起源の一つとする女子学院中学校・高等学校は、日本で最も歴史のあるキリスト教系の女子校の一つです。創立以来、キリスト教の精神を基盤に、人格的な交わりを大切にする人間教育に力を入れるとともに、実践的な学びを多く取り入れた学習活動を通じて、自主性に優れ、社会に貢献できる女性を育成しています。

 学院長の鵜﨑創先生は同校の教育方針について、聖書にある「タラントンのたとえ話」を紹介しました。これは、主人から預かった財産(タラントン)を倍にした家来は称賛され、減らさないようにと土に埋めておいた家来は追い出されてしまったという話です。この話を踏まえて「人には生まれながらに与えられている才能(タレント)があります。どんな才能か、どれほどの大きさかは、人それぞれ違うでしょう。でも、それは問題ではありません。自分にできることに気づき、それを伸ばす努力をして、社会のために生かすのが人としての務めなのです。本校の教育の根幹には、そういったキリスト教の教えがあります」と話しました。

 続いて、細かい校則を定めず、服装が自由なことにも触れ、「本校の自由は、常に自分と他者への責任を伴う自由です。初代学院長である矢嶋楫子先生が説いた『あなた方は聖書を持っています。だから自分で自分を治めなさい』ということばが、生徒による自治の支えになっています」と説明しました。また、学院の土台を築いた宣教師マリア・ツルーのことば「自分に力があるのに、他を助けなかったとき、苦痛を感じるような女性になりなさい」も紹介し、「才能を自分のためだけに使うのであれば意味がありません。社会のために貢献できる女性を世に送り出すことが本校の使命だと考えています」と力強く述べました。

文理の区別なくバランス良く学び
視野を広げて感性を磨く

 高い進学実績でも知られる同校ですが、「大学進学にのみ特化した学びはしません」と鵜﨑先生は強調します。創立時から実践するリベラルアーツ教育を受け継ぎ、理系・文系などの区別は設けずに、生徒全員がすべての科目を等しく学ぶカリキュラムを構築。幅広い知識と多角的に物事を考える力を養います。加えて、人間教育の一環として「話し合う機会」を多く設定しています。たとえば、ごてんば教室(中2)、春の修養会(中高生の有志対象)、修養会(高3)などでは、テーマに基づいたディスカッションを重ねます。また、「戦争体験の聞き書き」をはじめとする平和学習や、各界で活躍する人材から話を聞く講演会など、多様な考えに触れるプログラムも充実しています。

 最後に鵜﨑先生は、「学校行事、クラブ活動などはすべて生徒主体で行われますが、生徒たちは、このような学びを通じて培われた協働力を大いに発揮してくれます。本校の6年間で、自分で判断する力と、何事にも適応できる柔軟性を身につけて、変わりゆく社会に羽ばたいてほしいと考えています」と語りました。

イメージ写真 週5日制で、朝は15分の礼拝で始まります。生徒が話し合いながら結論を導くアクティブ・ラーニング型の授業が多いのも特徴です

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