受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

麻布中学校

2022年6月9日(木)

「自由闊達」「自主自立」の精神を貫き
自主的に考え、行動できる人間に

 SAPIX代々木ホールで開かれた麻布中学校の説明会は、サピックス教育情報センター本部長の広野雅明先生による入試傾向の分析で始まりました。実際に同校の入試で使われた解答用紙を表示しながら、「どの科目も、自分の考えを文章で表す記述問題が多いのが特徴」「算数・国語が各60分、理科・社会が各50分と試験時間が長いため、集中力が必要」といった分析やアドバイスとともに、合格の目安となる偏差値や併願パターンの解説も行いました。

 続いて登壇した校長の平秀明先生は、少子高齢化や低迷する経済など、日本が抱える社会問題に触れながら、私立校だからこそ、男子校だからこそ果たせる教育の意義について述べました。同校のOBでもある平先生は、「女子と比較すると不連続的に成長するといわれる男子は、決められたことを守ったり、いろいろなことを器用にこなしたりするのが苦手です。その反面、自分の興味のあることには時間を忘れて取り組むものです。そして、親や教師の言うことは聞かなくとも、先輩のアドバイスには素直に従います。少し前を歩く先輩の背中を見て、自分の進むべき方向を定められるのも、男子校ならではの良さです」と語ります。

 「自由闊達」な校風と「自主自立」の精神で知られる同校ですが、その「自由」の理念は、1970年ごろの学園紛争の時期に、全校生徒と教職員が協議を重ね、導き出したものです。平先生は120年を超える学園の歴史に触れながら、「服装や髪形など外見的なものばかりが注目されがちですが、不合理や強制に屈しない心を育み、自主的に考え、行動し、結果に責任を果たせる、自立した人間の育成をめざしています」と強調しました。

生徒主体で行う学校行事
人とのかかわりで人間力を磨く

 平先生いわく「人との交流により成長するべき学校生活に、多大な弊害を生み出した」新型コロナ。その流行も2年目となった2021年度は、学校活動の多くを可能な限り再開したそうです。生徒が計画を立案する学年遠足や修学旅行も、感染対策に配慮しながら実施。生徒主体で企画する運動会は、密を回避するために競技やルールを変更して開催しました。

 学習面では「自分の頭で考え、それを表現する力を養うこと」を重視しています。そのため、教科を問わず、日ごろから柔軟な思考力と豊かな表現力を培う機会を数多く設けています。たとえば、中3の現代文では卒業共同論文を、高1の社会科では基礎課程修了論文を課すほか、優れた論文やレポートを『論集』として刊行しています。また、高1・2対象の「教養総合」では、人文・科学・芸術など6分野で、既成のカリキュラムの枠を超えたテーマに取り組みます。中国・韓国・カナダの学校との相互訪問や、アジア太平洋青少年リーダーズサミットへの参加といった国際交流の実績も紹介し、「この2年はオンラインでの活動に切り替えています」と報告。「いかに生徒に刺激を与え続けられるかが、本校の教育のテーマです。麻布で何を学びたいか、志と挑戦する意欲を持って入学してください」と結びました。

イメージ写真 同校の最大の行事である文化祭。有志グループやクラブ主催の展示、ステージ企画などが目白押しで、一人ひとりの個性が発揮される場となっています

www.azabu-jh.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ