受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

世田谷学園中学校

2022年6月18日(土)

「本科コース」「理数コース」の2コース制で21世紀を生き抜く「智慧」ある人財を育成

 1592年に開設された曹洞宗吉祥寺の学寮「旃檀林」(せんだんりん)から発展した世田谷学園は、禅の精神に立った人間教育を実践する男子進学校です。

 この日のオンライン説明会は、校長の山本慈訓先生が進行しました。初めに、同校が掲げる教育理念「Think & Share」について、山本先生は「お釈迦様のことば『天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)』を国際的に通用するように英訳したもので、『Think』は仏教・禅の人間観、『Share』は社会観・世界観を表しています」と説明しました。仏教・禅の人間観では、「自己と他者は異なる価値を持つ人間であり、比較は意味がなく、それぞれが目標に向かって努力することが大切である」とされています。そして、社会観・世界観は「互いに違いを認め合って共存できる社会」を理想とするものです。山本先生は「教育理念に基づくモットーが、『明日をみつめて今をひたすらに』『違いを認め合って思いやりの心を』です。思春期という多感な時期、本校の生徒たちはこのような理念の下で学校生活を送っています」と話しました。

 次のテーマは「教育の目的について」です。山本先生は「わたしたちがめざす人間像は、ひと言でいえば『智慧(ちえ)のある人間』です。智慧を備えるには高い『知性』と『慈悲』、そして『勇気』を養うことが必要です」と語りました。

 最初に「知性」を養う取り組みが紹介されました。同校では、昨年度より本科コース(4クラス160名)と理数コース(1クラス40名)の2コース制がスタート。両コースの大きな違いの一つが、中1・2の「土曜プログラム」です。山本先生は「通常授業の枠を超えたアクティブで楽しいプログラムを通して、知的好奇心を刺激しながら確実に理解を深めます。頭だけではなく、体と心を使った授業を実践しています」と話しました。本科コースでは、各教科の発展学習として英語劇や東急世田谷線沿線の巡検など、アクティブ・ラーニングを中心とした内容のプログラムを行っています。

 一方、理数コースでは、本物に触れる実体験を重視し、プログラミングを駆使した宇宙エレベーターの製作や、学校外での稲作体験、自然探究会なども催されます。「これらの取り組みは中3以降で取り組む探究学習の土台になります。高2・3では、本格的な大学入試対策をとるため、本科・理数の両コースを融合させた形でクラスを編成します。本科コースは中3から特進クラスを1クラス設置し、高2で文系・理系を選択します」と山本先生は説明しました。本科コースと理数コースについては、さまざまな条件はありますが、途中での変更も可能とのことです。

 次に、「慈悲」と「勇気」を養う取り組みが紹介されました。それは、校内にある禅堂での坐禅です。「多くの生徒が、『坐禅をするとすっきりする』と言います。自分を見つめ、ひたすら坐ることで、余計なものにとらわれていたことに気づき、感謝の心が芽生えてきます」と山本先生は語りました。年に5回は全員参加の坐禅会がありますが、任意で週1回の坐禅会に参加する生徒も多いそうです。

 最後に、入試について説明がありました。同校では2月1日の午前と午後(算数特選)、2日午前、4日午前の合計4回行われます。「4回の入試すべてで本科コースと理数コースの併願が可能で、成績によってスライド合格があります。「2月1日の午前・午後、2月2日には特待生枠があるので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか」と山本先生からエールが送られました。

イメージ写真 東急田園都市線・世田谷線「三軒茶屋」駅から徒歩10分。座席数が300席ある食堂は中1から利用可能で、焼きたてのパンや月替わりの限定ランチなどメニューも豊富です

www.setagayagakuen.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ