受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

駒場東邦中学校

2022年6月19日(日)

「3F精神」と本物に触れる学びを重視し、体力・知識・心をバランス良く育む

 1957年の創立以来、気概と理知をあわせ持つ次代のリーダーの育成をめざす駒場東邦中学校・高等学校。政財界はもとより、芸術など多彩な分野で活躍する数多くの卒業生を輩出してきた、首都圏でも有数の男子進学校です。

 この日、あいさつに立った校長の小家一彦先生は、都立日比谷高校の校長を務めた菊地龍道先生と、当時の東邦大学理事長・額田豊博士によって設立された同校の沿革を紹介しました。そのうえで、「菊地校長が就任に際して明示したのは、『自主独立の気概』と『科学的精神』を養うということです。自然科学のみならず人文科学においても、『科学的な精神』すなわち根拠を持った体系的な考え方で、身の回りの現象をとらえることであり、それによって世界のなかで独立した一個の存在として立つことが実現できると考えています。この夢や理想は、現代においても変わらずに若者たちの『針路 』を照らすものと考えています」と語りました。

 続いて、小家先生は、第二代校長の高山政雄先生が提唱した「駒東の3F精神」である「Fighting spirit」「Fair play」「Friendship」を紹介。この「3F」の順番について、小家先生は「最近まで『Friendship』を冒頭にしていましたが、卒業生から『男子校である本校においては、思い切ってまずは戦おう。フェアプレイで戦うなかで、本当のフレンドシップを得ることができる』という指摘を受けたことをきっかけに、この順番で伝えています」と説明しました。「互いに誠実であろう」と呼び掛けるこの教えは、現在も生徒たちの間で取り交わされているそうです。

 同校の教育活動の基盤となるのが日々の授業です。「自ら考え、自ら行動する 」という基本姿勢の下、毎日の授業では生徒みずからがさまざまな情報を探して調べ学習に取り組みます。話し合いや発表の場では互いに意見をぶつけ合い、自分の考えをレポートや論文にまとめるという活動をふんだんに取り入れているのが特徴です。さらに、体育祭や文化祭、林間学校などの多彩な学校行事が用意されています。中1の夏には例年、信州の霧ヶ峰高原で林間学校が行われますが、コロナ禍で中止となりました。その代替行事として、昨年は西表島や北海道の環境保全団体や学校などと連携して 、海洋プラスチックについての総合学習プログラムを実施。湘南海岸でもフィールド調査を行い、各自で実験や研究を重ね作成したレポートをもとに、オンライン・サミットを開催したそうです。

 また、同校の大きな特色として小家先生が挙げたのが、生徒たち自身によって運営される部活動です。「中1から高2までの5年間、ほとんどの生徒がいずれかのクラブに所属しています。学校行事や部活動などの課外活動の場では、さまざまな個性を持つ生徒がそれぞれに自分の居場所を見つけています」と語りました。

 続いて、中学教頭の田子久弥先生が、動画を交えながら学校生活について話しました。田子先生は同校の魅力として、「自分の好きなこと、やりたいことに伸び伸びと取り組める環境」を挙げました。続けて、同校の名物行事の体育祭について詳しく説明しました。生徒は入学後、クラスとは関係なく赤・白・青・黄の4色の組に分かれ、卒業するまでその色の組に属します。体育祭は6学年縦割りのこの4色で競います。一昨年は中止となり、昨年は感染防止策として密を避けるため、2日間に分けて実施されましたが、今年は無観客ながら、3年ぶり に全校生徒が一堂に会しての開催となりました。この日は、2020年に収録された動画を通して、全力でさまざまな競技に取り組む生徒たちの奮闘ぶりを確かめることができました。

 日々の授業では、英語と数学の進度が速いため、放課後の補習や夏期講習を行うなど、ていねいなフォローが行われています。また、今年から卒業生による放課後学習支援制度が導入されたことについても報告されました。

イメージ写真 創立60周年記念事業として行われたグラウンドの拡張・人工芝化が完了。生徒たちはより充実した環境で学びを深めていきます

www.komabajh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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