受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

栄東中学校

2022年6月20日(月)

身につけた基礎力をALの授業に活用することで、豊かな人間力と確かな学力を形成

 校訓に「今日学べ」を掲げ、難関国公立大学や医歯薬系学部に多くの合格者を輩出している栄東中学・高等学校。「東大クラス」「難関大クラス」の2コース制の下、アクティブ・ラーニング(AL)を積極的に行い、課題研究・グループワーク・ディスカッション・プレゼンテーションなどを通して、思考力・発信力を磨いているのが特徴です。

 あいさつに立った校長の田中淳子先生は、自身が担当する英語科の授業について触れ、「入学直後は『フォニックス』で発音やつづりなどを一から学習するので、英語に自信がない人も安心してください。むしろ、小学校では国語力をつけて、読解力や思考力を磨くことが重要です。それが英語にも必ず役立ちます」と話しました。さらに、田中先生は、「中1では、英語の基礎・基本を身につけたうえで、『自分の力で自分の考えについて話すこと』が大切です」と強調しました。同校ではALの授業を通じて、「なぜ」という疑問を生徒に持たせ、生徒自身が思考を巡らせながら、「自分にしか出せない回答」にたどり着く力を育てています。また、「ロボットの研究に没頭している生徒」や「数々のクイズ番組で活躍している高校生」など、個性的な生徒がたくさんいることも紹介しました。「こうした自分だけの武器を中1から模索してほしいと願っています。大学の総合型選抜入試をはじめ、その武器を希望の進路につなげるように導くのが本校の教育です」と田中先生は結びました。

 次に、理科の市原貴紀先生と国語科の山口啓一先生が、教科横断型ALの授業の実践例を紹介しました。市原先生は、中1の地理の授業に出張したとき、高2の物理で学ぶ「単振動」について、地球儀やボールを使いながら、3択クイズを交えて教えたそうです。「実は、この3択のなかに正解を入れませんでした。『新しい発見』が求められる現代では、与えられた選択肢から選ぶだけでなく、常に新たな可能性を探したうえで、自分の考えを主張してほしいからです。また、単振動は高2で学ぶ分野のため、論理的な説明はまだ先になりますが、今回疑問を感じたことは自主的に調べてほしいと考えています。本校では、生徒が自由な発想のもとで発言できるような環境づくりをしています」と話しました。

 一方、国語科の山口先生は、実際に中1の授業で行った内容を再現。文章を一つ挙げ、「句読点の打つ場所によって、その文章が5通りくらいに解釈できること」について、イラストを使い、ていねいに解説しました。「こうした授業を通して、生徒はわかりやすい文章を意識して作成するようになります。また、教員から客観的な視点で添削されるという経験を重ねることも大切です。読み手の立場に立った文章づくりが心がけられるからです。これは数学の証明問題などに生かすこともできるでしょう」と続けました。

 続いて、入試広報センターの稲田昭彦先生より、教育全般についての説明がありました。まずは授業以外に実践しているALについて。たとえば、中2の校外ALでは事前学習をしたうえで京都を訪れ、現地調査で歴史や文化の理解を深める一方、留学生への観光案内にも取り組みます。また、オーストラリアを訪れる中3の修学旅行では、ファームステイや現地の提携校で英語によるディスカッションを体験します。そのほか、卒業生から自身の職業について話を聞く「ジョブ・コンテンツ」や、それに基づいて「20年後の履歴書」を作成するキャリアALなども実施していることが伝えられました。

 部活動が盛んなことも同校の特色の一つです。全国レベルで活躍するクイズ研究部、コーラス部、水泳部のほか、チアダンス部は東日本大会での優勝経験がある実力派。このほか、脚本・歌・演技・装飾などすべてを生徒みずからが手がける、ミュージカルの有志団体「ハルモニア劇団」の活動内容なども紹介されました。

イメージ写真 JR宇都宮線「東大宮」駅から徒歩約8分の立地。アリーナや剣道場を備えた体育館、2面のグラウンド、室内温水プールなど、運動施設が充実しています

www.sakaehigashi.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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