受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城中学校

2022年6月22日(水)

伝統ある男子教育と時代に即したプログラムで人間力の高いリーダーを育てる

 1885年の創立以来、「知・仁・勇」を教育理念に掲げる成城中学校・高等学校は、新しい時代を切り開くグローバルリーダーの育成をめざす男子進学校です。

 説明会に登壇した校長の岩本正先生は、「男子校の良さ」「伝統校の良さ」「中高一貫校」という三つのキーワードを挙げ、同校の特色について紹介しました。

 毎年行っている「学校生活に関するアンケート」で、全校生徒の90%、中1生の96%が「楽しい」と回答したというデータを示した岩本先生は、「よく『どんな生徒が多いですか?』という質問をいただきますが、いつも『さまざまな生徒がいます』とお答えしています。いろいろな個性を持つ男子が集まり、互いを認め合いながら成長していけるのが、『男子校の良さ』です」と語りました。

 「伝統校の良さ」を象徴する行事として、岩本先生が挙げたのが、中1で行われる3泊4日の臨海学校です。これは100年近く続く伝統行事で、選抜された高2の生徒が修泳指導に当たります。高2生は後輩をサポートすることで「リーダーとしてどうあるべきか」を考え、中1生は先輩を身近なロールモデルとして将来の目標に据えます。岩本先生は「本校にしかできない伝統教育のなかには、男子を伸ばすさまざまな学びの機会を組み込んでいます」と語りました。

 「中高完全一貫化」では、部活動や臨海学校などでの異年齢集団による交流や、発達段階に応じた教育課程、学校設定科目などが挙げられました。たとえば、統計やプログラミングを学ぶ中1の「数学統計」は、理科や社会の分野のデータを分析する教科横断型授業です。1人1台のタブレットパソコンを操作しながら、Excelでの統計処理、情報モラルに関する知識、タイピング技術などを身につけます。岩本先生は「めまぐるしく変化する時代でも柔軟に対応し、『男子校の良さ』『伝統校の良さ』を大事にしながら学校をつくっていきたいと考えています」と結びました。

 次に、入試広報室長でもある教頭の中島裕幸先生が学校生活と行事について説明しました。2018年度から高校募集を停止し、完全中高一貫校へと移行した同校では、中高6年間を「基礎学力養成期」(中1・2)、「進路決定期」(中3・高1)、「実力完成期」(高2・3)の3期に分け、男子の発達段階に合わせた教育を展開。中1・2では、授業を中心に学習習慣の定着を図ります。日々の小テストにより、学習到達度をチェックし、補習や再テストを通して、自学自習を習慣化させます。中3・高1ではキャリア教育やグローバル教育に力を注ぎ、キャリア教育では、高1の夏休みに「未来の履歴書」というオリジナルの課題が出されます。これは大学生になった自分を想定して、希望する企業に提出する架空の履歴書を作成することで、学習の意義の再確認や意欲向上へとつなげる狙いがあります。グローバル教育では、カリフォルニア大学など、海外から学生を招き、1日6時間・5日間の研修を行う「エンパワーメント・プログラム」や台湾やオーストラリアへの海外研修を実施しています。

 高2・3では希望進路別のクラス編成となり、高3では科目別の習熟度別授業や選択科目を設定。それぞれの進路に対応した授業を行っています。また、高1から受講可能な無料の進学講習や、卒業生がチューターとして常駐する自習室「自修館」もあり、生徒一人ひとりの希望する進路を実現するために全面的にバックアップしています。これらの充実したサポートにより、2022年春の卒業生の現役合格率は89.6%となりました。

 説明会の途中、校内の様子が会場に生中継されました。参加者は、中庭やカフェテリアなどの校舎の雰囲気や、休み時間に友だちと元気に過ごす生徒たちの生き生きとした表情を見ることができました。

イメージ写真 都営大江戸線「牛込柳町」駅より徒歩1分。中2の技術の授業では、同校のある新宿区にゆかりのある植物・内藤とうがらしを栽培しています

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