受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

広尾学園小石川中学校

2022年6月23日(木)

「自律と共生」という教育理念の下、「広尾学園と同等同質の学び」を実践

 村田女子高等学校が広尾学園小石川中学校・高等学校として生まれ変わったのは昨年4月。中学校を新設すると同時に高校も含めて共学化し、中高一貫教育体制を確立した同校は、2018年に連携した広尾学園の教育リソースを土台に、国際社会で活躍できる人材の育成をめざしています。

 この日の説明会は、教頭の遠藤賢先生による学園の紹介から始まりました。同校では、「自律と共生」という教育理念の下、「広尾学園と同等同質の教育」の実現に向けて改革を進めています。教育ビジョンとして掲げているのは、「問題解決能力とコミュニケーション能力の養成」「グローバルな視野と高度な英語力の習得」「デジタルネイティブ世代としての最先端ICTスキルの獲得」の三つ。遠藤先生は「グローバル化社会において価値観が多様化するなか、将来、世界で活躍するためには学生生活のなかで問題解決能力やコミュニケーション能力を磨き、自律・共生する力を身につけることが必要です」と語りました。その実現に向けた環境づくりのツールとして、生徒全員が情報機器を所持し、授業やさまざまな活動に活用するなど、ICTを積極的に取り入れているのが特徴です。

 同校では、広尾学園で実績を挙げているコースのうち、「本科コース」と「インターナショナルコース」を設置しています。今春入学した2期生124名の内訳は男子51名、女子73名で、難関大学や医学部をめざす本科コースが1クラス、英語力を生かして国内外の難関大学をめざすインターナショナルコースが2クラスという編成です。

 本科コースでは、生徒がそれぞれの強みを見いだせるように、中1から本格的なキャリア教育プログラムを実施し、視野を広げていきます。主要科目の学習については、中学校の範囲を中2までに終えて高校の内容を先取りし、高校の範囲は高2までに終え、進路実現のための学力を養成します。さらに「使える英語」の習得をめざし、中3進級時までに英検®2級の取得を目標としています。

 一方、インターナショナルコースは広尾学園での指導経験が豊富な外国人教員と日本人教員とのダブル担任制を導入。授業にはディスカッションやプレゼンテーションを取り入れています。クラスは各専門分野の外国人教員が英語で授業を行うアドバンストグループ(AG)と、入学後に英語力を伸ばしていくスタンダードグループ(SG)に分かれており、高校進学時にはAGに一本化します。このうちAGでは国語・日本史・地理と、一部の実技教科以外は英語で行いますが、遠藤先生によると「今年は、SG生の83%が入学時には英検®資格を未取得でした。しかし、本校で英語漬けの日々を送ることによって、中2進級時にはSGの全員が英検®3級を取得済みで、英検®2級を取得する力がつく生徒も少なくありません。高校進学時には英検®準1級を取得する生徒もいるでしょう」とのこと。なお、入学後は条件に応じてクラスを変更できます。SG生は高校進学時にAG、本科のいずれか希望するコースに進み、高2進級時には文系・理系別のクラスに分かれます。また、今年度は両コースの高1・2の希望者を対象に、オーストラリアで3週間の短期留学を行う予定だそうです。

 続いて、広報部統括部長の矢野将嗣先生が登壇し、学校生活などを説明しました。同校の特色の一つに、独自に行うキャリア教育プログラムがあります。多彩な講座のなかでも、「Inspire High」は「ガイド」と呼ばれる宇宙飛行士や文学者をはじめ、世界の第一線で活躍するさまざまな分野の人々から投げかけられる「答えのない問い」について議論し、学びに向かう力、思考力・判断力・表現力を育成します。また、広尾学園と合同で開催する「スーパーアカデミア」は研究者、エンジニア、医療・司法関係者といった専門家が各分野のテーマについて講義します。矢野先生は「本物を体感することで見聞を広め、夢を実現する力にしてほしいと考えています」と語り、説明会を締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 16名の外国人教員が在籍しており、英語教育は充実しています。広尾学園の先進的な教育プログラムを導入するにあたり、教員たちにも隔週で研修を行って、指導力向上を図っています

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