受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

香蘭女学校中等科

2022年6月24日(金)

聖書の教えに基づき、一人ひとりの賜物(たまもの)を生かす女子教育を実践

 香蘭女学校は英国国教会より派遣されたE.ビカステス主教が設立した聖ヒルダ伝道団の諸事業の一つとして1888年に創立された女子ミッションスクールです。校名には、「芝香の漂う芝蘭を飾る部屋に入るといつの間にか、そのよい香りとひとつになるのと同じように、よい人とともに過ごすことで、その立ち振る舞いや価値観などを香り立つごとく身にまとってほしい」という願いが込められています。

 説明会であいさつに立った校長の鈴木弘先生は、「本校は、聖書の教えに基づいて、人の数値化できないところを大切にする学校です。神様から与えられた一人ひとり異なる『賜物』を生かし、伸ばすことを目標にしています」と述べました。また、「優秀なリーダーは優秀なフォロワーのなかから育つ」という考えの下、他者の役に立つ喜びを知る体験を重視していることや、女子の特性を生かした教育を実践していることにも触れ、「創設当初から日本の伝統文化を守り、世界に出ても物怖じすることのない、品格を備えた女性を育てています」と語りました。

 次に、入試広報室長の桜井千枝先生が教育内容について説明しました。同校では、論理力・表現力・創造力を備えた「有為な女性」の育成をめざし、「Experience×Education(体験×教養)」「Diversity×Empathy(多様性×共感力)」「Life Design×Talent(ライフデザイン×賜物)」の三つの柱から成る教育プログラムを展開しています。

 「Experience×Education」では、本物と出合うことで未知の世界への興味・関心を喚起します。定評のある英語教育では、通常授業の「英語Full」と、クラスを2分割した「英語Half」を週3コマずつ設定し、4技能をバランス良く身につけます。桜井先生は、「コロナ禍で、オンラインによる異文化交流も活発に行われました。今年は、カナダのプリンスエドワード島での留学プログラムが再開されます」と報告し、修学旅行や理科・社会での校外学習など、国内でも本物に触れる体験が用意されていることを紹介しました。一方で、理数教育にも力を注ぎ、校内の自然を活用したフィールドワークや、希望者対象の「放課後Science」、立教大学での実験教室など、観察・実験の機会を数多く設けています。進路が決定した高3生が中学生の学習をサポートする「学習会」が実施されるのも同校の特徴の一つ。桜井先生は、「本校には、伝統的な取り組みとして、高3生が中1生のお世話をする『ビッグシスター制度』があります。先輩にあこがれ、身近なロールモデルとすることで、他者に心を寄せることが自然にできるようになっていきます」と話します。

 「Diversity×Empathy」は、毎日の礼拝をはじめとする宗教行事、バザーなどの奉仕活動、文化祭や運動会などの行事が中心となります。6年間の祈りの日々を通して、生徒たちは他者への共感力やフォロワーシップを身につけ、大きく成長していきます。

 「Life Design×Talent」では、授かった「賜物」を生かす道を考えます。中2から始まる「SEED(Self Enrichment Education)」は、問いを立て、深く物事を考える姿勢を培う独自の探究プログラムです。高校で行う課題研究や論文作成は、進路選択にも結びついているそうです。また、同校はキリスト教のプロテスタント系の「日本聖公会」に属しているため、関係校の立教大学、聖路加国際大学との高大連携プログラムが整っており、両校への推薦入学制度もあります。立教大学へは1学年の約6割に相当する97名が進学可能で、「高等科3年間の評定平均値が3.5以上」「CEFRのB1レベル(英検®2級相当)の英語力」が出願資格となっています。

 2023年度入試は、前年度と同様に2月1日午前、2月2日午後の計2回実施されます。繰り上げ合格者選定の際には、両日受験者を優先することも伝えられました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 東急線「旗の台」駅から徒歩5分。閑静な住宅街にあるキャンパスには、小川や池、緑豊かな築山などがあり、四季折々の自然を感じることができます

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