受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

広尾学園中学校

2022年6月24日(金)

高度な英語教育とサイエンス教育を軸に、グローバル社会で活躍する真の国際人を育成

 2007年に新たなスタートを切った広尾学園。以来、共学化や高度なキャリア教育プログラムの導入など躍進的な改革を推進してきました。生徒一人ひとりの将来を見据えた、きめ細かい教育カリキュラムでも注目されています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った理事長の池田富一先生は、教育理念の「自律と共生」に触れ、「将来、社会で活躍するために必要な問題解決能力やコミュニケーション能力を学校生活のなかで身につけ、自律・共生力につなげます。入学直後には合宿を行い、自分の夢やクラス目標を徹底的に考え、仲間との連帯感を育んでいきます」と述べました。

 同校では国際教育とサイエンス教育に力を注いでおり、難関大学をめざす「本科コース」、難関理系・医系大学への進学志望者が在籍する「医進・サイエンスコース」、世界で活躍する国際人を育む「インターナショナルコース」の3コースを設けています。さらに、インターナショナルコースは基本的な授業をすべて英語で行う「アドバンストグループ(AG)」と英語を基礎から身につける「スタンダードグループ(SG)」に分かれます。いずれのコースも「問題解決能力とコミュニケーション能力の養成」「グローバルな視野と高度な英語力の習得」「デジタルネイティブ世代としての最先端ICTスキルの習得」という三つの教育ビジョンをベースにしており、高校進学時などにはコース変更が可能です。

 2022年度は延べ184名が海外大学に合格した同校。インターナショナルコースに限らず、他コースの生徒にも「高校進学時までに英検®2級を取得する」という目標を与え、ハイレベルな英語教育を展開しています。25名の外国人教員が生徒たちに「生きた英語」を伝授するほか、教員研修にも注力。さらに海外大学の進学情報に精通した教員が多数在籍し、インターナショナルコースの生徒を中心に海外大学の見学ツアーも実施しています。また、同校は世界170校以上の海外大学が集まる説明会や、アメリカの大学入学に必須の大学能力評価試験(SAT:Scholastic Assessment Test)の会場に指定されており、インターナショナルコースのすべての生徒や、本科コース、医進・サイエンスコースの希望者が受験に挑戦しています。加えて、英語のスピーチコンテストに参加する生徒も多く、数々の受賞歴があります。

 次に、副校長の金子暁先生から学習プログラムなどについて説明がありました。なかでも、「本物に触れる体験学習」を行うキャリア教育プログラムは同校の学びの土台となるもので、研究室訪問ツアーや司法裁判講座、ロボットプログラミングなど多彩な内容をそろえています。毎年3月に開催する「スーパーアカデミア」はその集大成で、第一線で活躍する各分野の専門家が同校に集結し、それぞれの研究についての講義があります。生徒は中1から本物の最先端研究に触れることができ、大いに刺激を受けているそうです。

 また、全コースの生徒を対象に、毎週、大学の研究室並みの最新設備が整った「サイエンスラボ」で実験授業を行い、生徒の科学への興味・関心をかき立てています。このほか、病院や大学の研究室、企業などとの連携プログラムも実施。医療に関心のある生徒たちは、大学病院で手術の立ち会いや手術前のカンファレンスに参加できる「病理診断講座」などの医療系講座を受講することができます。金子先生は「ICT技術を駆使した先進的な教育活動にも積極的に取り組んでいます。また、校内全域でWi-Fiへの接続が可能で、すべての生徒が専用のデバイスを持っています。時代に合ったテクノロジーを手にすることで、従来の日本の中高生ではかなわなかった多様なスタイルの学びを創出できると考えています」と語りました。実際、その活動は国の枠を超え、海外大学の講義映像を翻訳するボランティアなどに結びついているとのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 東京メトロ日比谷線「広尾」駅からすぐ。近年、海外大学への進学者数を飛躍的に伸ばしており受験生の人気が高まっています

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