受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

森村学園中等部

2022年6月29日(水)

「言語技術教育」を基盤に、人生を切り開く「イノベーションマインド」を育む

 森村学園は、幕末から明治時代にかけて日米貿易の先駆者として活躍した実業家・森村市左衛門によって、1910年に創立された伝統校です。創立者の人生哲学であった「正直・親切・勤勉」を校訓として受け継ぎ、予測不可能なことが起こるであろう未来で、国際社会に貢献できる人財を育んでいます。

 この日の説明会では、今年度から校長に就任したブレット・マックスウェル先生があいさつに立ち、「本校では、これまで取り組んできた『未来志向型教育』をバージョンアップし、『イノベーションマインド』の育成を軸とした学内改革を進めています。創立者が掲げた建学の精神『独立自営』を行動基盤として、生徒一人ひとりが自分の人生をたくましく歩めるように、『挑戦』『活躍』『貢献』のスピリットに基づく唯一無二の『森村教育』を推進していきます」と力強く語りました。

 次に、入試広報部長の浅沼藍先生から、教育内容についての詳しい説明がありました。「イノベーションマインド」の育成を支える三つの柱のうち、一つ目の「アカデミックマインド」の取り組みとして挙げられたのが、「言語技術教育」と「PBL(課題解決)型授業」です。導入11年目となる「言語技術教育」は、欧米の母語教育を取り入れ、論理的思考力や分析力を培う同校の特徴的なプログラム。授業では、議論を通して課題解決に取り組み、アクティブ・ラーニングを展開しながら、最終的に作文にまとめていきます。浅沼先生は、丸ごと1冊の本を教材として物語の分析を行う「丸本」のカリキュラムを紹介し、「対話・物語・説明・論証・分析の五つの言語技術を習得して、すべての学びの土台となる力を養います。昨年度には週1コマから2コマの連続授業となり、内容も深まりました。今年度からは中学に加えて高1でもスタートし、大学入試の小論文対策や探究活動などに生かしていくことも考えています」と話します。学年単位の「PBL型授業」では、中1では「創立者研究」、中2では「職業研究」を行い、中3ではみずから問いを立てて「自由課題研究」に取り組みます。浅沼先生は、「言語技術教育はPBL型授業にも役立っており、卒業生からも、大学などでも生きた力になっているという実感の声が届いています」と強調しました。

 二つ目の「グローバルマインド」の中心となる外国語(英語)教育では、2年ごとの三つのステージで、段階的に発展させながら4技能を習得します。第1段階の中1・2は、英語を基礎から学ぶ通常のルートと、豊富な英語経験を持つ生徒を対象にした「EEルート」に分かれ、20名前後の少人数制でていねいに指導。アウトプットの場として、レシテーションコンテストやスピーチコンテストを開催しています。また、「国際交流・多言語教育センター」では、校内で世界の多様性を実感できる「多文化月間」の取り組みや、放課後に自由に参加できる「多言語・多文化講座」を実施するほか、オンラインでアメリカの授業を受け、卒業時に日米二つの卒業証書を手にできる「US Dual Diploma Program」も導入しています。

 三つ目の「テクノロジーマインド」については、整備されたICT環境が紹介されました。同校では、1人1台のタブレットPCを所有し、課題の配信や提出、学習資料の情報共有などに活用しています。4名の教員がMicrosoft認定教育イノベーターの資格を取得しており、指導のスキルアップにも努めているそうです。

 キャリア教育としては、大学の模擬授業や相談会を実施するイベント「進路の日」や、昭和大学との連携プログラム、合格したばかりの高3生による「大学受験を語る会」などが行われています。「本校の進路選択の特徴は多様性があることです。それぞれの生徒が進みたい道に向かって、大学や学部をしっかり選んでほしいという思いで指導しています」と、浅沼先生は結びました。

イメージ写真 東京ドーム約1.8個分もの広大なキャンパス。緑豊かな自然が広がり、生徒たちは部活動にも熱心に取り組んでいます

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