受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

富士見中学校

2022年6月20日(月)

中高6年間で「17の力」を育み、社会に貢献できる自立した女性を育成

 1924年に創立された富士見高等女学校を前身として、1940年から山崎学園の経営となった富士見中学校高等学校。「純真・勤勉・着実」を建学の精神に掲げ、社会に貢献できる自立した女性の育成をめざす中高一貫の女子校です。

 説明会の開始前には、体育祭の伝統演技である高3生の創作ダンスの映像が上映されました。その後、校長の佐藤真樹先生が登壇し、同校の教育目標について紹介しました。そのなかで佐藤先生は、「自立した女性に必要な、自分と人と課題と向き合う力を育てていきたい」と述べ、その実現のために必要な「自分の意見を形成する力」「聴く力」「課題を発見する力」などから成る「17の力」を育てる取り組みについて説明しました。「日々の授業を大切にすると同時に、探究学習、グローバル教育、学校外で行われる各種イベントへの参加といった多様な活動の機会を設けています」と佐藤先生。最後に、「本校では生徒たちの『17の力』を育みながら、『わたしはこうありたいんだ』『わたしはこういうものを大切にしたいんだ』という自分軸と、『社会とかかわり、こんな役目を果たしていきたい』という社会軸を持てるように、6年間のプログラムを考えています。この軸が強ければ、本校を卒業した後も、自分で学びを深め、社会に貢献できる自立した女性に成長していきます」と結びました。

 続いて登壇した中1副担任の岩堀夏子先生は、6年間の探究プログラムについて説明しました。その特徴として岩堀先生が挙げたのは、「成長段階に沿って設計されていること」「生徒が楽しく学べるように、多彩なアプローチから迫り、さまざまなアクションも行っていること」の2点です。中学3年間では、まず探究活動で必要な各種スキルを高めることを目標とし、段階的に重点項目を決めて取り組みます。中1では「問う」をテーマに、生徒個人があるモノについて探究していきます。中2では、グループ単位で「ねりま探究」というテーマに取り組み、学校のある地域について調査を進める過程で、インターネットや書籍以外にもさまざまな調べ方があることを理解していきます。中3では「my探究」をテーマに、自分の興味のあることに特化して卒業研究を行います。自分の考えを他者へ「伝える」という経験を通して、論理的に考える力や自分の意見を形成する力を身につけます。

 続いて、探究と深くリンクした理科の学びについて紹介したのは、高3担任の山内咲季先生です。理科教育では「楽しむ」「見る」「好奇心」の三つを大切にしています。たとえば、中2の地学では「マグマの粘り気」を学ぶために、マグマに見立てたスライムを使って流れやすさを確認します。また、生物ではブタの心臓を観察します。また、「地質年代調査隊」と題した授業では、それぞれの班に割り振られた年代について調べ、その結果をPowerPointでまとめた後、発表します。なお、生徒たちは図書館の書籍や1人1台のiPadを情報収集に活用しているとのことです。山内先生は「理科での取り組みを通して育てたい生徒の力は、『興味・関心を持ち、目的意識を持って実験・観察を行う力』『知識や概念、原理や法則を身につけようとする力』『論理的に考察する力』です」と結びました。

 最後に、入試広報部長の藤川建先生が進路について説明しました。2022年春の難関大学への進学者は、卒業生の約半数が、北海道大学1名、東北大学1名、一橋大学2名、お茶の水女子大学2名、東京外国語大学1名、東京農工大学4名などの国公立大学のほか、早稲田大学16名、慶應義塾大学2名などの難関私大に進学しています。藤川先生は「本校にも約100校分の学校推薦型選抜枠はありますが、利用した生徒は13名でした」と、同校の生徒の多くが一般受験を経て希望する進路に進んでいることを強調し、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 山種美術館(東京都渋谷区)の創立者で、初代理事長である山崎種二の「本物の芸術に親しんでほしい」という意向から、校内のいろいろなところに美術品が展示されており、生徒たちの感性を育んでいます。

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