受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

国学院大学久我山中学校

2022年6月21日(火)

それぞれの特性と発達段階に即した「男女別学」の環境で過ごす、文武両道の6年間

 授業では男女それぞれの特色に合わせた指導を別校舎で行う一方、クラブや委員会活動などでは協働する「男女別学」が国学院大学久我山中学高等学校の特色です。野球やサッカーなどの強豪校としても知られています。

 入試広報担当の西山剛宏先生は、同校での生活を「たいへん忙しいものです」と説明しました。英語や数学といった教科では、ほぼ毎日宿題が課され、毎週のように漢字や英単語テストも行われるなか、部活動にも積極的に参加している生徒が多いそうです。西山先生はそんな生徒たちの日常について触れたうえで、「日々、いろいろな失敗や悩みなどを抱えながらそれを乗り越えていくことが、人として成長するために必要だと思います。生徒たちには、そのような力を6年間で身につけていってほしいと考えています」と話しました。

 同校では、日本の伝統文化や歴史を研究する國學院大學の付属校という特色を生かして、日本の歴史を積極的に学び、発信していく人材の育成もめざしています。今年で発足5年目を迎える、女子部のCC(Cultural Communication)クラスは、海外大学や難関大学への進学を目標として、國學院大學がうたう「もっと日本を。もっと世界へ。」というコンセプトの下、「Diversity」「Friendship」「Communicator」の三つのビジョンを掲げています。

 また、同校のキャッチフレーズ「きちんと青春」は、現在は新聞記者として活躍している卒業生が、同校での6年間を振り返った際に残したことばであることも紹介しました。「このひと言に、国学院久我山という学校の特色が端的に表現されていると思います。時間管理、あいさつ、身だしなみ、ことばづかいといった基本的な生活習慣を身につけ、そして日直などの学校生活で与えられる職責を果たす経験を積んで、社会に出ていってほしいと考えています」と話しました。

 「男女別学」については、中高時代の男子と女子とでは、成長のスピードや授業への向き合い方、理解の深め方が違うため、それぞれの特性に適した指導を行う必要があると同校では考えています。男子部には学業と部活動の両立を図りながら難関大学への現役合格をめざす「一般クラス」と、最難関国公立大学または医学部医学科に挑む生徒が集まる「STクラス」があり、女子部には前述の「CCクラス」と「STクラス」があります。

 男子部では、世阿弥の一生やことば、能の歴史を学んだうえで、能面や能衣装に直に触れ、現役能楽師から舞を学び、みずからも舞を体験する「能楽教室」を中2の10~12月に設けています。礼法を身につける場ともなっている武道の授業では、中1では柔道、中2では剣道の基礎基本を学び、中3以降はいずれかを選択します。なお、男子STクラスでは2022年から「ST特別演習講習」を放課後にスタートさせました。中学生は必修、高校生は希望制で、目標進路を実現させるための実力を養成するとのことです。

 一方、女子部では、1年を通じて日本の伝統・文化を学ぶ「女子特別講座」を開講。中1の「ことば」から始まり、中2は「華道」、中3は「茶道」、高1は「能楽」、高2は「日本舞踊」、高3は「食事作法」を学び、礼儀作法や美しい所作を身につけます。また、キャリア教育にも注力し、企業訪問や企業トップによるフォーラムなどを通して、将来について考える機会を数多く設けています。

 最後に、2022年3月の卒業生の進路の内訳が紹介されました。男子は国公立大学に8%、国学院大学に7%、その他の私立大学に50%、女子は国公立大学に8%、国学院大学に9%、その他の私立大学に62%がそれぞれ進学。なかでも、女子のSTクラスから東京大学へ1名、男子STクラスから東京工業大学に2名がそれぞれ現役合格を果たしています。

イメージ写真 2022年6月からBYOD(Bring Your Own Device)による学習へのデジタルデバイスの本格導入がスタート。生徒たちは使い慣れたタブレットPCなどで学びを深めています

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