受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田佐賀中学校

2022年6月25日(土)

大隈重信ゆかりの地で、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーを育成

 2010年に早稲田大学の7番目の付属・系属校として、佐賀県唐津市に開校した早稲田佐賀中学校・高等学校。早稲田大学の建学の精神「進取の精神」「学問の独立」「地球市民の育成」を根底に、確かな学力と豊かな人間性を兼ね備えたグローバルリーダーの育成をめざしています。

 SAPIX代々木ホールで行われた説明会の冒頭、理事と事務局長を兼任する深見卓司先生は、唐津城の石垣に囲まれたキャンパスのロケーションに触れ、「校舎が建っている場所が二の丸跡地で、周囲には森、山、川、海などがあります」と、自然豊かな周辺環境について紹介。佐賀県は早稲田大学創立者の大隈重信の出身地であり、唐津市は早稲田大学の第二代学長の天野為之や理工学部創設者の竹内明太郎のゆかりの地でもあります。このことから、唐津市が系属校設立の地に選ばれたという経緯についても説明しました。

 次に進路状況に話題が移りました。卒業生の約50%は推薦により早稲田大学への進学が可能です。2022年春は、卒業生229名のうち、110名が早稲田大学に進学しました。そのほか、他大学では東京大学・大阪大学・九州大学・慶應義塾大学などに合格者を輩出しています。深見先生によると、「九州出身の生徒は、国公立大学や医学部医学科への進学希望者が多い」とのことで、医学部進学に向けた同校の取り組みについても説明がありました。

 同校では中3~高2の生徒を対象に「WasedaSaga Medical WorkShop」と題した諸活動を実施しています。唐津市の総合病院の院長による地域医療に関する講演を聞いたり、救急医療や離島医療をテーマに現場で働く人々の声を聞いたりする、実践的な学びの機会となっています。また、理学部・工学部・農学部への進学希望者を対象とした「Science WorkShop」では、受験に向けての情報提供のほか、進学への動機づけとなるような講演や体験活動などを行います。

 学習面では、中1・2を「基礎力養成期」、中3・高1を「応用力養成期」、高2・3を「実践力養成期」と位置づけ、日々の学習やさまざまな課題を通して学力を高めます。英語教育とグローバル教育にも注力し、4技能をバランス良く伸ばすカリキュラムの下、生徒はネイティブ教員による英会話授業やオンライン英会話レッスン、文化祭での英語スピーチコンテストなどで、生徒が英語を実際に使いながら学びを深めていきます。希望制のオーストラリア語学研修(中2)など、実践的な英語力を養うプログラムもあります。さらに、早稲田大学系属校と提携を結んでいるニュージーランド政府の留学促進機関「エデュケーション・ニュージーランド」の制度を利用したオーダーメイドの留学も、2022年または2023年からの運用を予定しているとのことです。

 現在、中学の在校生は384名で、そのうちの62.5%を占める239名が附設寮の「八太郎館」で共同生活を送っています。首都圏出身者の内訳は、東京都が107名、神奈川県が24名、千葉県が15名です。同校の寮では「自己管理能力」「問題解決能力」「自主自律」が求められると前置きしてから、深見先生は「なかでも『自主自律』が特に重要です。『何でも自分でやるんだ』という強い気持ちを持って入寮してください」と、寮生活の心構えについて語りました。

 同校の寮の特色は、寮主任教員と呼ばれる男性5名、女性4名の教員が、学校で授業を受け持つのと同時に、放課後から夜にかけても学習・生活指導をする制度を導入していることです。寮は校舎から徒歩12分ほどの距離にあり、高1までは4人部屋で、高2以上は個室で生活します。寮での学習は自学自習が基本ですが、同校の卒業生がチューターとして週に4回、サポートに当たっているそうです。深見先生は、「お子さまが6年間を過ごすことになる環境をその目で確かめるために、ぜひ寮と学校を見学してください」と語り、説明会を締めくくりました。

イメージ写真 景勝地・虹の松原や唐津城など、美しい自然や史跡に囲まれたキャンパスが魅力。クラブ活動では、弓道部、野球部、サッカー部などが輝かしい成績を残しています

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