受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協埼玉中学校

2022年6月27日(月)

“好奇心を刺激する体験”を重視した教育で「自ら考え判断することのできる若者」を育成

 東京都文京区にある獨協中学校・高等学校の兄弟校として、1980年に埼玉県越谷市に開校したのが獨協埼玉高校です。2001年には中学校が併設され、「学問を通じての人間形成」を根底に置いた一貫教育を実践しています。東京ドームの1.7倍の広さを誇るキャンパスには、二つの体育館、300mトラック、サッカー兼ラグビー場、野球場、テニスコート、25mプールなど、充実した施設が備わっており、同校の魅力の一つとなっています。

 オンライン説明会の冒頭で、副教頭の酒井直樹先生は、「自ら考え判断することのできる若者を育てる」という教育理念について触れ、「これは開校当時から変わっていません。生徒には進路などについて、一歩一歩じっくり考えながら成長し、卒業までに思考力や判断力を身につけてもらいたいと願っています。そのために本校では、生徒が自発的に考える機会を豊富に設けています」と話しました。

 特に、中学3年間では多彩な体験授業が実施されています。たとえば、中1では近隣の田んぼで田植えから稲刈りまでを行う「稲作体験」、中2では、外部の講師による講演を聴く「キャリア教育」、中3では、福祉や介護についての講義や実習を受ける「福祉体験」など、実体験を取り入れた総合学習を通して、生徒の知的好奇心を刺激しています。酒井先生は「稲作体験一つをとっても、理科の時間に稲を観察し、お米を収穫して家庭科の時間に調理するなど、教科の枠を超えて稲について多面的に考える総合学習となっています。さらに、どの体験においても、事前調査やレポート作成にも取り組ませて、『その場限り』では終わらせない学習を心がけています」と強調しました。

 中学入学時からコース制を設けず、クラスを習熟度別に分けていない点も特徴です。ただし、指名制の放課後補習、読解力を伸ばす朝読書など、ていねいな学習指導が行われています。酒井先生は「中高一貫の6年間は、大学受験のための勉強に偏らず、部活や行事など、さまざまな体験をして、社会人になってからひと通りのことはできるように成長してほしいのです。進路についても、大学の偏差値にとらわれず、あくまでも『生徒が何を学びたいか』に重点を置いて、アドバイスしています」と述べました。

 また、行事も盛んで、入学直後に行うオリエンテーション合宿、クラス対抗球技大会、合唱祭など、クラス・学年の団結を促すもののほか、体育祭や学園祭など、全校を挙げての行事もあります。これらは委員会が中心となり、生徒主体で運営されているそうです。

 進路指導については、文系・理系の選択を高2で行い、高3では高校からの入学生も合流して、「文系Ⅰ・理系Ⅰ・文系Ⅱ・理系Ⅱ・獨協」の5コースに分かれます(Ⅰは国公立大学志望、Ⅱは私立大学志望)。獨協大学と獨協医科大学へは推薦制度があり、他大学も受験できる併願制度も用意。例年、卒業生の2割程度が内部推薦で進学しています。一方、獨協大学への進学を前提とした「獨協コース」は高大連携プログラムとなっており、プレゼンテーションやグループディスカッションなどを積極的に取り入れ、大学進学後を見据えた授業を行います。推薦の条件は、各学部・学科の成績基準を満たすだけでなく、大学教授の指導の下、30冊分の読書記録と1万6000字以上の卒業論文を完成させることです。なお、昨年度からは、獨協医科大学医学部への推薦枠が、獨協埼玉高校と獨協高校を合わせて計10名に増員されました。

 国際理解教育にも力を入れています。河口湖を訪れ、英語漬けの2泊3日を送る国内留学体験「アメリカンサマーキャンプ」(中2)や、学校内で英語のみで行われる5日間の「エンパワーメントプログラム」(高1)などを用意。また、今年はサンフランシスコでの夏休み語学研修(高2の希望者対象)も実施される予定であることが、酒井先生から伝えられました。

イメージ写真 東武スカイツリーライン「せんげん台」駅から、「獨協埼玉中学高校」行きのバスで約5分の立地。選択制の第二外国語の授業として、高校からドイツ語を履修できるのも同校ならではの特徴です

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