受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

宝仙学園中学校共学部理数インター

2022年6月27日(月)

受験生の多様な個性を生かせる、11種類のさまざまな入試を実施

 真言宗豊山派の宝仙寺を運営母体とする宝仙学園は、幼稚園から大学までを擁する総合学園です。その歴史は古く、今年で創立95年目を迎えます。中学・高校はかつて女子校でしたが、2007年には、高校に女子部を併設したまま、中高一貫教育を行う共学部「理数インター」を新設しました。

 オンライン説明会であいさつに立った校長の富士晴英先生は、最初に教育コンセプトである「理数インター」の名称の由来について、「ここでの『理数』は『理系』を指すのではなく、アクティブラーニングを通して『理数的思考力』を育成するという意味を持っています。また、インター(inter)には『何かと何かをつなぐ』という意味があります。コミュニケーション力やプレゼンテーション力を磨き、人と人とを結び付ける存在として、21世紀の中枢になるような人材を養成することをめざしています」と紹介しました。

 そのために、同校では探究型授業に力を注いでいます。なかでも特徴的なのが、中学で週1時間行われる「理数インター」という授業です。中1は「コラボレーション」、中2は「プレゼンテーション」、中3は「ラーニング」をテーマに、生徒が主体となって探究力を培います。たとえば、中1ではチームビルディングに力を入れて発想力を育み、中2では企業のミッションに応えて課題解決を提案するプログラムに挑戦しています。こうした取り組みは、記述力や柔軟な思考力が試される国公立大学の二次試験にも大いに役立っているそうです。

 大学合格実績も順調に伸びています。2022年春は、国公立大学に23名、早慶上理ICUに61名、GMARCHに213名、そして医学部医学科に21名が合格しました。ここで、富士先生は、過去10年間の卒業生数と大学合格実績をグラフ化したものを公開しました。それによると、同校の人気が高まったことから、在籍人数が飛躍的に増加したことがわかります。2013年に57名だった卒業生が、2022年には196名にまで増えています。富士先生は「本校は入学時の偏差値に比べ、卒業時という出口で高い実績を出せる学校として評価されています。この10年間、創意工夫を凝らし、期待に応え続けてきた結果と自負しています」と力説しました。

 一方、中学で大切なのは、「最初からトップギアに入れず、失敗しても温かい目で見守り、次のチャレンジを促すことにある」と言います。そして「なぐさめ・はげまし・きたえる」といったサポートを大事にして、高い目標に挑戦できるような環境を整えているそうです。富士先生は「本校が望む中学生像は『明るく・楽しく・一生懸命』な生徒です。どんなときでも自分の納得がいくまで努力し、高校に進学したら『自己ベストの更新』をめざしてほしいのです。そして、自己肯定感に満ちた人間に成長することを願っています」と結びました。

 続いて、入試広報部長の米澤貴史先生が2023年度入試について説明しました。同校では、「多様な個性を持った生徒を受け入れ、学校を活性化したい」という考えから、計11種類の入試を実施しています。たとえば、4科入試に向けて学習してきた受験生を対象とする入試には、「2科・4科入試」に加え、60分間で4科の総合問題を解く「新4科特別総合入試」もあります。このほか、勉強以外の体験も含め、学習歴をプレゼンする「リベラルアーツ入試」、オールイングリッシュでプレゼンに挑む「グローバル入試」、自分の好きな本を紹介する「読書プレゼン入試」など、5種類のプレゼン型入試も設けています。「ただし、プレゼン型入試の場合、同じ名称のものは1回しか受けられないので、ご注意ください」と最後に米澤先生から伝えられました。

イメージ写真 東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線「中野坂上」駅より徒歩3分。電動大型スクリーンとプロジェクターを備えたICT教室を活用した授業が数多く行われています

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