受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

渋谷教育学園幕張中学校

2022年6月29日(水)

「非認知能力」を伸ばす教育で、21世紀のグローバル時代を生き抜く力を育む

 全国屈指の進学校として知られる渋谷教育学園幕張中学校・高等学校。1983年に高校が設立され、1986年には「一人ひとりを大切にして個性豊かな人間を育てる6か年の統合された中高一貫教育」を実現しようと、中学が開校しました。そんな同校では教育目標の「自調自考」と多様な価値観を認め合う校風の下、生徒たちが精神的に自立し、互いを高め合いながらグローバル時代を生き抜く力を養っています。

 この日の説明会では、冒頭で今年4月に校長に就任した田村聡明先生が登壇。「開校40年目で校長が代わりましたが、これまでの『渋幕』をしっかりと継承し、教育に全力で取り組んでまいります」とあいさつし、同校が開校以来、大切にしている三つの教育目標について説明しました。

 一つ目は「自調自考の力を伸ばす」です。「自らの手で調べ、自らの頭で考え、何事に対してもあきらめることなく、積極的に取り組める人間の育成」をめざす同校では、この教育目標がさまざまな活動の指針となっています。自己認識がなぜ必要なのかという点について、田村先生は「『認知能力』は授業で養うことができます。一方、変化の激しい21世紀を生き抜くために必要なやる気、忍耐力、失敗したときにやり直す力といった『非認知能力』を教えることは難しいものです。だからこそ、中高の6年間に自分の特徴や自分の考えをよく理解し、そうした非認知能力を身につけてほしいのです」と語りました。

 また、開校以来、多様な価値観を持つ帰国生や留学生を積極的に受け入れているのも、同校の大きな特徴です。こうしたダイバーシティに満ちた環境こそが、二つ目の教育目標「国際人としての資質を養う」につながっています。

 そして、三つ目の教育目標が「倫理感を正しく育てる」です。田村先生は「グローバル時代には、人として信頼されることが基本条件となります。学園長は日ごろから講話で『よりよく生きるように、考えて行動しなさい』と生徒たちに伝えていますが、本校には『自分ができること』を求めて積極的に活動できる者が大勢います。そんな生徒たちの夢を実現するために、学力はもちろん、生きていく力も養えるように、彼らの成長を全力で支援していきます」と結びました。

 次に、校長補佐で、入試対策室長の永井久昭先生からは、入試に関する説明がありました。最近は、発表当日に入学手続きを済ませる合格者が増えているそうです。それだけ、同校を第一志望としている受験生が増加しているということでしょう。永井先生は「合格者の男女比は特に定めていません。今年度の入学者は男子が162名、女子が128名で、女子の入学者が過去最多になりました」と話しました。

 進路指導については、卒業生や外部の講師から話を聞く「キャリアガイダンス」を年間20回以上開催しています。生徒はさまざまな分野で活躍している社会人から体験談を聞くことで、将来について考えるきっかけにしているそうです。特に医学部志望者向けの医療系のガイダンスは人気があり、講演会だけではなく、パネルディスカッションや実験・実習なども行われています。こうしたさまざまな取り組みが、幅広い視野で進路を検討する姿勢につながり、東京大学をはじめとする国内の最難関大学や芸術大学のほか、マサチューセッツ工科大学をはじめとする海外の大学にも多くの合格者を輩出しています。

 最後に永井先生は、「模試で合格ラインに達したことがなくても、合格する入学者はたくさんいます。それは、徹底的に過去問に取り組むなど、本校の入試に向けてしっかりと対策をしてきた受験生です。こつこつと努力を積み重ねていけば、必ず結果が出ます」というアドバイスを送りました。

イメージ写真 首都圏の中高一貫校有数の蔵書数を誇る広々とした図書館、天文台、二つのグラウンド、体育館など、充実した施設のなかで生徒一人ひとりの個性が育まれます

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