受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

法政大学第二中学校

2022年6月30日(木)

多様な個性や文化に出会い、人格を磨く、付属校ならではの一貫教育

 法政大学の付属校として旧制法政大学第二中学校が開校したのは1939年のことです。戦後、新制の中学校・高等学校になりました。長く男子校でしたが、2016年に中高同時に共学化され、新校舎の利用も開始。充実した施設・設備がそろう環境の下、生徒たちは伸び伸びと学校生活を送っています。

 この日の説明会では、最初に、副校長の下川禎先生から「出会い、向き合い、『自分』をつくる」という教育方針について説明がありました。同校には、中学生約670名、高校生約1850名が在籍しています。中学には一般入試で入学した生徒だけではなく、帰国生入試で入学した生徒がおり、高校では内部生はもちろん、高校からさまざまな経路で入学した生徒もいて、多様です。部活動も盛んで、中高一緒に活動するクラブが多いのも特徴です。下川先生は「多様な個性や価値観に触れ合う機会をできるだけ増やし、互いの違いを認め合いながら新しい自分を見つけるきっかけとしています。また、国を超えた多様な文化と出会う機会も多くあります」と語りました。「多様な文化との出会い」は、在校生で構成される「国際交流委員会」が担っています。活動内容は、海外の中高生との交流から、留学生のサポート、イベントの開催まで多岐にわたり、国内外の同世代の仲間との出会いの場となっています。

 そんな同校の教育を支えているのは、「主体性」「共同性」「総合性」という三つの柱です。日々の授業では、実物に触れ、興味・関心と問題意識を喚起する場を多く設けているのが特徴で、生徒同士がグループで話し合いながら答えのない課題に取り組む探究型学習をたくさん用意しています。育てたい生徒像として「主権者としての基本を獲得し、多様化する社会及び課題に対して、他者と共同・協力しつつ、自分たちの未来を自ら切り開いていこうとする生徒」を挙げた下川先生は、「今年は共学化した最初の年に中学に入学した生徒が大学1年生になった記念すべき年です。これまでの成果を生かしながら、今後もさらに充実した一貫教育を行っていきます」と力強く語りました。

 続いて、入試広報の黒田学先生から教科教育と進路について説明がありました。中学1・2年では基礎学力の充実を徹底するため、1クラス30名以下の少人数学級を編成。一部の英語・数学の授業ではさらにクラスを2分割して15人程度で授業を行い、週1回の定着テストを実施しています。黒田先生は「ていねいな学習指導によって『わかる』から『できる』にすることで、中高大の土台となる“確かな学力”を身につけていきます」と話しました。

 さらに、レポート作成が多く設けられていることも、同校ならではの特徴です。その狙いについて黒田先生は、「授業ではICTも積極的に活用していますが、『手で書く』というステップも大切にしています。中高時代はことばの獲得過程であり、書くことによってことばそのものだけではなく、世界を認識することが大切です」と強調しました。そのほかにも、約6万5000冊の蔵書を誇る図書館を活用した探究型学習、中学3年間で70回以上行われている理科実験など、体験を重視した教育プログラムを多数用意しているそうです。

 高校卒業後の進路については、一定の条件を満たせば、法政大学への推薦入学が認められる有資格者となります。今春の有資格者率は97%で、そのうち法政大学への進学者は88%、他大学進学者は11%でした。

 最後に、入試広報主任の望月則男先生から、入試に関する説明がありました。望月先生によると、「以前は合格最低点が4教科75%前後でしたが、2022年度入試からは思考力・読解力を問う問題の割合を増やしたことで4教科65%前後になりました。このような出題傾向は継続される予定です」とのこと。2023年度入試の募集要項は9月以降に学校ホームページに掲載されます。

イメージ写真 川崎市中原区の閑静な住宅街に囲まれたキャンパス。時計塔を中心に、文武両道を実現する充実した施設や設備が整っています

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