受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

本郷中学校

2022年6月28日(火)

文武両道を実践する男子進学校。先輩と後輩との「縦のつながり」が成長の原動力に

 1922年に旧高松藩松平家第12代当主の賴壽(よりなが)氏によって創立された本郷学園は、今年創立100周年を迎えました。「個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成する」を建学の精神に掲げる同校は、今春、国公立大学に93名の合格者を輩出した進学校である一方、部活動が盛んな文武両道の男子校としても知られています。

 この日の説明会の冒頭、校長の佐久間昭浩先生は、「わたしは『本郷とは?』という問いに対していつも、『何でもできる学校』だと答えます。基本は学習が軸ですが、それ以外にも自分でやりたいことを見つけて、一生懸命に取り組んでほしいと考えています」と述べました。中高生が学習以外でさまざまな経験を積む場となるのが部活動ですが、同校には文化系・体育系とも数多くの団体が全国レベルで活躍しています。なかでもラグビー部は、スポーツ推薦で選手を獲得していないにもかかわらず、高校の全国大会に何度も出場している強豪です。

 次に、「面倒見の良い学校とは」というテーマに話が移りました。「本当の面倒見の良さとは、大人がお膳立てしたり押しつけたりするのではなく、みずから学びたくなるような刺激を用意することです」と佐久間先生。その「刺激」となるのが、教育の3本柱である「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」です。

 佐久間先生の説明を受けて、入試広報部長の野村竜太先生が教育の3本柱に基づくさまざまな取り組みについて紹介しました。まず、「文武両道」では、「文と武のつながり」と、先輩と後輩の「縦のつながり」を重視しているそうです。「この二つのつながりが生徒を大いに刺激し、成長の原動力となっています」と野村先生は強調しました。「文と武のつながり」は、学習と部活動の両立を意味しています。中1は全員が何らかの部に所属し、その後も中学で98%、高校では86%という高い加入率となっています。高2で引退するという学校が多いなか、同校では希望すれば高3まで活動を継続できます。

 次に、「縦のつながり」の一例として、「合同授業」が挙げられました。これは中1と中2がペアになり、先輩から後輩へ、主に数学の学習や生活習慣に関するアドバイスを行うものです。「合同授業は、最初の中間テストの前に行うのが恒例です。この時期の男子は、大人の言うことよりも先輩のことばのほうが刺さることが多いのです」と野村先生は話します。学習も部活動も、先輩と後輩が互いに刺激し合い、切磋琢磨しているのが特徴です。

 続いて、「自学自習」の代表的な取り組みとして「本数検」が紹介されました。本数検とは「本郷数学基礎学力検定試験」の略で、同校が独自に実施する数学の検定試験です。成績に直接影響するものではありませんが、結果はすべて職員室前に張り出され、優秀者は全校生徒の前で表彰されます。これによって「先輩や後輩に負けたくない!」という気持ちが生まれ、自学自習が促されるといいます。実際、中学生が高校生の問題にチャレンジして満点を出した例もあるそうです。

 「生活習慣の確立」では、手帳を活用したスケジュール管理の方法を指導しています。短期と長期の課題を出し、それぞれ提出期日を示して時間管理の感覚を養っているのです。1日10分の朝読書についても紹介されました。

 最後に入試について、「入試当日の午後2時に模範解答が配信される」「不合格者のうち、希望者には各教科の点数が開示される」「追加合格者は複数回受験者からのみ出す」といった説明がありました。

イメージ写真 JR山手線・都営三田線「巣鴨」駅から徒歩3分。都心にありながら、サッカーやラグビーの公式試合もできる人工芝のグラウンドが広がります

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