受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東邦大学付属東邦中学校

2022年7月2日(土)

高い学力と共に、先行き不透明な社会において必要とされる「総合的な人間力」を育成

 医療系総合大学である東邦大学の付属校として、額田豊・額田晉両医学博士兄弟によって設立された東邦大学付属東邦中学校・高等学校は、卒業生の9割以上が国公立大学・難関私立大学・医歯薬系学部に進む、千葉県屈指の進学校としても知られています。プロセスを重視する幅広い学びによる「自分探し学習」を通じて、真に豊かな学力を持つ生徒の育成をめざしています。

 説明会の冒頭であいさつに立った校長の松本琢司先生は、東邦大学と共通する建学の精神「『自然・生命・人間』の尊重」に触れ、「高い倫理観と豊かな人間性を持って、社会に貢献する人材の育成を図っています。これからのAI時代や、現在のコロナ禍に象徴されるような、先行き不透明な社会において必要とされるのは、人間であるからこそできる能力であろうと考えます。本校では、勉強を中心としながらも、行事や部活動にも励み、広く学ぶことによって知識や教養、豊かな感性、コミュニケーション能力、問題解決能力といった総合的人間力を培おうと考えています」と語りました。また、同校では、ICT環境を生かした能動的な学習を展開することによって、大学入試で必要とされる、課題解決のための思考力・判断力・表現力の獲得にも従来以上に注力しているとのことです。

 「東邦大学付属東邦には、どのような生徒が多いのか」という質問を多く受ける、と話す松本先生は、「大学の付属校ということからアカデミックな面があり、東邦大学以外に進学する生徒が9割以上を占める進学校でもあるという両面を反映してか、知的で穏やか、堅実でありながらもチャレンジ精神をあわせ持つ生徒が多いです」と、生徒の気質を分析。そのうえで、宇宙飛行士の金井宣茂さんや、厚生労働省クラスター対策班のメンバーで、京都大学の特定准教授の古瀬祐気さんといった卒業生の活躍を紹介しました。そして、「入学したすべてのお子さんを6年間かけてじっくり育てたいという思いから完全中高一貫校になりました。最大のメリットは、カリキュラムの二重性の解消で、より充実した教育を実践できるようになりました。総合的人間力を培う場、自分探しの場として、緑豊かで広々としたキャンパスを持つ本校を選んでいただけたら幸いです」と結びました。

 続いて、広報部長の岡田美秀先生が教育内容について説明しました。中学時代は、幅広い知識教養を身につけ、高2からは、文系・理系に分かれて将来の目標に向かって学んでいく「専門学習」がスタート。また、演習や実験・実習を多く取り入れた「プロセス重視」のカリキュラムを導入することにより、発展学習にみずから取り組める力を養い、中学では定期考査があるたびに英語・数学の補習を行うなど、サポート体制も整えています。ICT環境では、生徒自身の端末を持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)方式を導入。ただし、必要な場面でだけ使えるようiPadのレンタルも実施しています。

 中3以上の希望者対象の海外研修については、2022年は8月に代替行事として国内での宿泊研修を実施。今年からは、中学生向けに留学生との英語コミュニケーションプログラム「Power in ME」が導入されるそうです。また、東邦大学の各学部と連携して、DNA鑑定や医薬品の調合などを行う「学問体験講座」、東邦大学医療センター佐倉病院にて行われる医学部志望者を対象とした外科の実習模擬体験「ブラック・ジャックセミナー」も開催しています。

 卒業生の進路については、理系が約7割、文系が約3割で、3分の1程度が国公立大学に進学。東邦大学へは毎年、医学部15名を含む全学部に特別推薦枠が用意されています。

 2023年度入試は、例年どおり、12月1日午前に推薦入試と帰国生入試(英語選択型)、1月21日午前に前期入試、2月3日午前に後期入試をそれぞれ実施します。

イメージ写真 文化系・体育系を問わず、さまざまな部が輝かしい成績を収めている同校。多くの生徒が学習と部活動の両方に打ち込み、充実した学校生活を送っています

www.tohojh.toho-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ