受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

不二聖心女子学院中学校

2022年7月4日(月)

ボーディングスクールの伝統を受け継ぎ、サステナブルな世界を開く人を育成

 不二聖心女子学院中学校・高等学校は、静岡県裾野市に校地を構えるミッションスクールです。富士山を仰ぐ21万坪の広大な敷地と、緑豊かな学習環境の下、「世界の一員としての連帯感と使命感を持って、より良い社会を築くことに貢献する賢明な女性の育成」をめざしています。

 この日のオンライン説明会は、学校紹介動画からスタートしました。そのなかで、校長の大原眞実先生は、「都会の喧噪から離れ、学習に集中できる本校の環境は、自己形成の過程にある中高時代に最適です。世界146校の聖心姉妹校ネットワークと、ていねいな少人数教育で、サステナブルな世界を開いていく人の育成をめざしています」とあいさつしました。

 次に、広報主任の鈴木暁子先生からは、生徒の出身地の分布と通学方法について説明がありました。生徒の出身地は19都道府県と広域にわたり、全校生徒490人のうち49.5%は首都圏出身者です。そのため、全体の半数以上が「セント・マドレーヌ」と呼ばれる併設の寄宿舎を利用しています。また、片道1時間30分程度の距離であれば、自宅からの通学が認められているため、都内から新幹線で通学する生徒も10名ほどいるそうです。

 同校の教育方針は、「魂を育てる」「知性を磨く」「実行力を養う」です。その実践例として鈴木先生が挙げたのは、中高6年間を「Foundation」「Originality」「Vocation」の三つのステージに分類し、それぞれの段階に応じた教育を行っていること。中1~2は、学ぶ力を養う「Foundation」にあたります。数学と英語では少人数授業を行い、定着度をていねいにチェックするほか、「フォーサイト手帳」を活用して学習習慣を確立します。中3~高2の「Originality」では、自分らしさを広げるべく、総合的な探究の学習を通して、多角的に物事をとらえる力を身につけます。加えて、プログラミングやデータ分析など、情報教育にも積極的に取り組み、高度なICTリテラシーの習得をめざします。そして、高3は、自分の使命を自覚する「Vocation」。豊富な選択科目のなかから、フランス語やドイツ語、「保育基礎」といった特色ある科目を学び、自分の進むべき進路を固めます。

 聖心姉妹校ネットワークを生かしたグローバル教育も魅力です。高2の「フランス・ルーツへの旅」では、全員がパリを訪れるほか、希望者対象の「Cambridge Cross Cultural Program」「Boston Global Career Program」や、韓国、フィリピン、カンボジアといったアジア圏での体験学習を通して国際感覚を養います。また、単位認定可能な1年間の姉妹校留学制度があり、今年もフランス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアに生徒を派遣する予定です。

 同校には、聖心女子大学に進学できる推薦制度がありますが、「2021年度は多くの生徒が他大学受験に挑戦しました」と鈴木先生が振り返るように、東京外国語大学、お茶の水女子大学、早慶上智ICU、MARCHなどの大学に進学しています。入試形態別には、学校推薦型選抜が54%、総合型選抜が28%、一般選抜が13%というデータが示されました。鈴木先生は「生徒たちの希望に合わせて、さまざまな入試形態に対応しています」と柔軟な進路指導力を強調しました。

 続いて、教務主任の長谷川貴子先生が、寄宿舎の詳しい説明を行いました。ヨーロッパのボーディングスクールの伝統を受け継ぐ同校の寄宿舎の特徴は、「週末帰宅型」であること。寄宿生は、毎週金曜の夕方に自宅に帰り、日曜の夜または月曜の朝に寄宿舎に戻ります。中1の1年間は、高3のお世話係がマンツーマンでつく「エンジェル制度」があり、先輩が生活全般をサポートしてくれるため、困ったことがあっても安心です。長谷川先生は、「首都圏から静岡県の学校を受験するのは、小学生にとっては大きな挑戦に思えるかもしれません。しかし、ぜひ一度、本校の雰囲気を肌で感じていただき、魅力を感じたお子さんは積極的にチャレンジしてください」と結びました。

イメージ写真 21万坪の広大で自然豊かなキャンパス。中学校のすべてのホームルームにはピアノが設置され、生徒たちの感性や情操を育む環境を整えています

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