受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

白百合学園中学校

2022年7月5日(火)

キリスト教に基づく全人教育を実践し、国際社会で活躍する女性を育む

 白百合学園は、17世紀のフランスに誕生したシャルトル聖パウロ修道女会を母体として、1881年に設立されたカトリックミッションスクールです。「従順・勤勉・愛徳」を校訓に掲げて、生徒のかけがえのない個性と能力を豊かに伸ばし、社会に貢献できる女性の育成をめざしています

 東京・代々木のSAPIX代々木ホールで開催された説明会には、入試広報部長の瀧澤裕子先生が登壇し、「本校のすべての教育の基盤は、キリスト教精神にあります。学園の一日は朝礼の祈りで始まり、生徒たちは穏やかな心と前向きな一歩を踏み出す勇気をいただいています」と述べました。同校では、学年ごとの修養会やミサなどの宗教行事が、自分自身の存在や、社会とのかかわりについて深く見つめます。また、全校生徒が参加するクリスマスの奉仕活動や東日本大震災の被災地訪問など、ボランティア活動も盛んです。瀧澤先生は「先日は、ウクライナから避難している大学生を招いて共に祈りを捧げ、生徒手作りのキャンドルを販売してその収益を寄付する活動を行いました」と語りました。

 続いて、学習指導に関する説明がありました。週5日制のカリキュラムでは、本物に触れて知的好奇心を育み、自分で問題を考えて解決する力、そして表現する力を培います。生徒一人ひとりの学力を着実に伸ばすために、外国語・数学・国語では習熟度別授業を行い、学習をきめ細かくフォローしています。また理科では、中学3年間で100種類以上の実験・観察に取り組み、各分野への興味を高めるとともに、観察力・洞察力・レポート作成力などを養います。

 創立以来、フランス語と英語の二つの外国語を学んでいるのも同校の特色です。中学では英語が週5コマ、フランス語が週1コマで、いずれも日本人とネイティブ教員の連携による少人数授業が行われ、高校でもフランス語を第一外国語、または第二外国語として学習します。国際教育プログラムも充実しており、中3全員が留学生と交流する「グローバルヴィレッジ」のほか、高校生には「エンパワーメントプログラム」、「日仏短期交換留学プログラム」、アメリカでの短期留学プログラムなどもあります。昨年度は、「ニュージーランド研修」(中3)に代わり、フィリピンの貧困問題について考えたり、現地の子どもたちと交流したりする「フィリピンミニ留学体験」をオンライン上で行いました。瀧澤先生は、「どのプログラムも、単に語学力の向上をめざすだけではなく、相手を理解する力を養い、物事や将来について考えるものとなっています。コロナ禍によりオンラインを活用したものが続きましたが、今年の春休みには、さまざまな国籍の講師を招いて行う、中学生対象の『チャレンジ・イングリッシュ』を2年ぶりに対面で実施することができ、約170名の希望者が参加しました」と話します。

 次に、中学生と高校生が一緒に行うクラブ活動や、主な学校行事の様子が写真や動画とともに紹介されました。昨年の合唱祭は、録画して鑑賞する合唱発表会の形で行われ、例年高3生全員が合唱する戴冠ミサ曲「クレド」は校庭で披露されました。学園祭は、数日前に対面での開催を見送ると決まったものの、生徒たちはすぐにオンライン開催に向けて前向きに動き始めたとのこと。瀧澤先生は、「多くの制限があるなか、みんなで知恵と力を結集して学園祭開催にこぎつけたことは、みずから考え、行動する力、仲間との協働を学ぶ貴重な挑戦になりました」と語りました。

 キャリア教育では、6年間を通して生徒の精神的な成長を促し、生徒一人ひとりが希望の進路を見出し、適切な進路選択ができるようにサポートしています。全学年で毎年全国模試を実施するほか、中2~高2はGTECを受検して4技能の成長を確認します。面接・小論文の個別指導に加え、学習支援クラウドサービスのポートフォリオ機能を利用して活動記録を積み重ね、大学の総合型選抜や学校推薦型選抜に活用していることも伝えられました。同校の6年間は、人間として真に豊かになれるよう、自分を磨いていく時間です。

イメージ写真 人々が必要としていることに気づき、その幸せのために奉仕できる、芯の通った女性の育成をめざしています

shirayuri.ed.jp/top.html 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ