受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桐光学園中学校

2022年7月6日(水)

一生続けられる好きなことを見つけよう

 1978年に男子校として開校し、1991年に女子部を開設した桐光学園。校舎を男子と女子に分けて授業を行う「男女別学教育」によって、それぞれの特性を生かした指導を実践しています。毎年、国公立大学や最難関の私立大学にたくさんの卒業生を送り出している一方、多くのプロスポーツ選手を輩出するなど文武両道の進学校としても知られています。

 説明会の冒頭で、校長の中野浩先生は、自身が校長に就任した4年前に、それまでの教育目標「次世代の新しいリーダー、真の人格者を育成する」を、「他者との関わりの中で自己を高めていこう」「失敗を恐れず失敗から学んでいこう」「一生続けられる好きなことを見つけよう」という新しいことばに改めた経緯を次のように紹介しました。「それまでの教育目標は崇高なため、目標を達成できる生徒は限られてしまいます。それならば思い切ってハードルを下げ、努力すれば手が届くような目標にしたほうが、学園全体がより活性化するのではないかと考えたのです」

 そして、中野先生が「この三つの目標のなかでも特に生徒たちに伝えたいこと」と強調したのが「一生続けられる好きなことを見つけよう」です。中野先生は「中学・高校の6年間で、一生続けられるような好きなことが見つかったとすれば、それは一生の宝物になります。社会に出れば、つらく苦しいことがたくさんあると思います。生徒たちがマイナスの局面を乗り越えなければならないときに『一生続けられる好きなこと』があれば、それが大きな支えになると思うのです」と話します。

 こうした教育目標を達成するために、同校では「男女別学」「ICT教育」「講習制度」などを柱とした教育を実践しています。中野先生は「これらのプログラムはすべて『何をどう学ぶのか』という生徒主体の在り方を具体化したものです」と述べ、2020年度から開始した「TOKO SDGs」の活動について紹介しました。これは、「『自己』・『他者』について」「『性』について」「『自由』について」といった中高生にとって切実な問題と考えられる17の目標を設定したもの。17の目標について、「みずから調べ、考え、意見を述べ、相手の意見を聞き、自分の意見を振り返る」という過程を繰り返していくことで自己を高めていってほしいと願っています。生徒たちは、目標の設定に始まり、ポスターセッションなどで課題に対する研究結果の発表などを通して、論理的思考力・課題発見能力・問題解決能力を身につけていきます。

 また、「男女別学」について中野先生は、「わたしが担当している国語では、どの学年でも男子より女子の平均点が高く、男子は説明的な文章を、女子は文学的な文章をそれぞれ得意とする傾向があります。その一方で、放課後のクラブ・生徒会活動、学校行事などでは、男女が協力し合うのが本校の特徴です」と語りました。

 続いて、入試対策部長の三浦敏行先生から、学園生活に関する説明がありました。多摩丘陵の豊かな自然が残る広大な敷地内には、美しい人工芝のサッカー場をはじめ、充実した施設・設備が整っています。学習面においては、中1・2には家庭学習の習慣づけと、つまずきの早期発見・対応を目的とした10分間のテストを実施。各試験で80%に満たない場合は追試や補講などでフォローします。一方、中学では1学年のクラスを男子6クラス、女子4クラスで編成し、各クラスに2名の担任がつく「2人担任制」を採用。女子クラスには、必ず女性教員を配置し、生徒の相談にも乗れるように配慮しています。

 2023年度の入試では、これまで2月4日に行っていた第3回入試が3日の実施となります。また、募集人数は、男子の第3回入試がそれまでの40名から60名に、女子は第1回入試で60名を50名に減らす一方で、第2回が40名から50名へ、第3回が20名から30名へと、それぞれ10名ずつ増員されます。

イメージ写真 部活動も活発で、男子にはサッカー部や野球部が、女子にはダンス部やバレーボール部が人気。合唱部や競技かるた部などの文化部にも全国レベルで好成績を収めるクラブがあります

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