受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

サレジアン国際学園世田谷中学校

2022年7月7日(木)

2023年度に校名を変更し、共学化。21世紀に活躍する「世界市民力」を育成する

 イタリアのサレジアン・シスターズを設立母体とし、1960年に中学を、1963年に高校を開校した目黒星美学園。開校以来、女子のカトリック・ミッションスクールとして歩んできましたが、2023年に校名をサレジアン国際学園世田谷中学高等学校に変更し、男女共学校として生まれ変わることになりました。

 この日のオンライン説明会の冒頭、教務部長の村井純先生が、大規模な学校改革の概要について説明しました。サレジアン・シスターズの設立者である聖ドン・ボスコは、イタリアの貧しい少年たちが良き市民になるために、19世紀の当時にあって必要な教育を実践し、現在では世界97か国に兄弟校が広がっています。サレジアン国際学園世田谷中学校は、このドン・ボスコの教育理念に基づき、「21世紀に活躍するための『世界市民力』の育成」を教育目標に掲げています。「世界市民力」とは、21世紀を生きるために必要な資質・能力である「コミュニケーション力」「言語活用力」「数学・科学リテラシー」「考え続ける力」であり、これらの育成を柱に据えた「心の教育」を実践していきます。

 そのためのプログラムが、PBL(Problem Based Learning)型授業です。PBL型授業では、「1.知識の習得」「2.トリガークエスチョン(知的好奇心を刺激する問い)」「3.個人で問いを考える」「4.グループディスカッション」「5.結論を導く」「6.振り返り」のステップで学習を進めていくことで知識の定着を図り、「考え続ける力」「コミュニケーション力」「思考のプロセス」を身につけます。同校では全教科・全学年でこのPBL型授業を導入し、今後の大学入試で求められる思考力を育んでいくとのことです。村井先生は、「本校は、21世紀型教育を行うカトリック・ミッションスクールとして大きく動き出していきます。わたしたちと一緒に、新しい歴史の1ページを描いていきましょう」と力強く語りました。

 クラスは、本科クラスとインターナショナルクラスを設置。本科クラスでは「ゼミ」を設置し、生徒が探究学習を通じて主体的に深く掘り下げて考え、自分自身を知ることで自己決定力を高めていきます。中1では、学問体験をメインにした「プレゼミ」、中2~高3では「ゼミ」「ゼミEX」に取り組み、各自でテーマを決定し、主体的に研究します。ゼミでの失敗や遠回りの経験によって、社会で必要な資質・能力を獲得します。

 インターナショナルクラスは、英語で学び、考えるクラスです。「Standard」と「Advanced」の2コース制で、「Standard」は、英語学習に対するモチベーションが高く、将来グローバルに活躍したい生徒が対象です。英語の授業をオールイングリッシュで行い、卒業時にCEFR (ヨーロッパ言語共通参照枠)のB2レベルまたは英検®準1級以上のレベルをめざします。一方「Advanced」は、帰国生・インターナショナルスクール出身で、英語で学習を深めていきたい生徒が対象。英語・数学・理科・社会の授業は海外テキストを使用してオールイングリッシュで行われ、スムーズに海外大学に進学できるCEFRの C1レベルまたは英検®1級をめざします。また、両コースともに「サレジアン・アカデミック・プログラム(SAP)」を設けます。これは文化学・環境問題・社会問題について探究学習を行うもので、プレゼンテーションやディベートなどの基本的なスキルを学ぶとともに、世界中にある兄弟校の生徒と交流します。

 2023年度入試は、2月1日(午前・午後)・2日・3日・5日の計5回です。本科・インターナショナル「Standard」は、2科(国語・算数)、4科(国語・算数・理科・社会)、21世紀型入試(思考力問題)、および自由選択2科入試で行われます。インターナショナル「Advanced」は、英語筆記・英語エッセイ・面接を実施します。このほか、11~1月には帰国生入試も実施される予定です。「詳細は学校ホームページに掲載される募集要項をご確認ください」とのことでした。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 東京都世田谷区のキャンパスは、小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩20分の静かな環境。東急線「二子玉川」駅からはスクールバスも運行しています

www.meguroseibi.ed.jp/salesian/ 別ウィンドウが開きます。

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