受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

暁星中学校

2022年7月11日(月)

キリスト教精神を持つ医学部進学者を多数輩出。今年度よりフランス語コースを一新

 1888年にフランスとアメリカから来日したカトリック修道会「マリア会」の宣教師によって設立された暁星学園。キリスト教の愛の理念に基づく全人教育を行い、人格の完成をめざすとともに社会福祉に貢献できる人間を育てています。

 今年度より校長に就任した髙田裕和先生は、冒頭のあいさつのなかで、現在改修中の聖堂について紹介したうえで「本校は構内に聖堂があるカトリックスクールです。わたしたちは即戦力になる人材づくりや、一般的に良いとされる大学に進学させるために教育を行っているのではありません。生まれながらにして神から“良きもの”として認められた子どもたちの人間性をいかに開花させていくか。一人ひとりが比較されることなく、その人が持つ人間性を開花させるか、という教育に重きを置きたいと考えています」と述べました。なお、2023年度の入学式は、新しく生まれ変わった聖堂で行われることになっています。

 同校は創立当初から英語とフランス語を必修とする複数言語教育を行うなど、異文化理解にも力を注いできました。今年度からはフランス語を第一外国語とするクラスが「エトワールコース」に改称され、学習内容も一新。同コースではフランス語を週6コマと英語を週2コマ学びます。フランス語科の小暮豊先生は「エトワールコースはバイリンガルコースとして位置づけています。フランス本国が推奨しているプログラムを採用し、中学3年間で段階的にオールフレンチでの授業に移行していきます。フランス語検定の取得、校外学習、提携校のフランス人学生やフランス在住の暁星OBとの交流などによって、世界基準のフランス語能力を身につけていきます」と説明しました。同コースには中1・2各20名前後が在籍しているそうです。なお、ネイティブ教員が担当する週2コマの英語の授業については、「内容が高度なため、ある程度の英語力が必要」とのことです。

 次に、英語科の高橋秀彰先生から英語教育について説明がありました。英語を第一外国語にした場合は、英語を週6コマ、フランス語を週2コマ学習します。中学では同一進度・同一テストによる、緩やかなグレード別授業が行われています。「今年度からは大学入試を見据えて、ネイティブ教員による授業を週2コマに増やし、リスニング力の強化に努めています。高校ではエッセイライティングの時間を設け、ネイティブ教員の添削指導を通じて表現力を磨きます」と高橋先生は話しました。

 続いて、企画広報部長の川奈部智久先生より、進学指導に関する説明がありました。同校では、年5回の定期試験と年3回の実力試験を通して学力を測りながら、長年のデータに基づいて編集される「進学資料」をもとに志望大学への合格可能性を予測しています。川奈部先生は「1学年180人前後という少人数制のため、生徒と教員の距離が近い本校では、担任教員が面談を重ねて『あきらめない受験』を推進しています」と語りました。

 同校の合格実績で目立つのが、医学部医学科への合格者の多さです。今春の医学部への現役合格者(卒業生157名)は、国立大学医学部医学科が11名、私立大学医学部医学科は延べ55名で、30名近くが医学部医学科に進学しています。その背景について川奈部先生は、「ご家庭が医療関係者であるケースも多いですが、それだけではありません。キリスト教精神の影響から『他者のために役に立ちたい』と考えたとき、医師という仕事が候補になりやすいのだと思います」と話しました。

 説明会の終盤には、中1と中2の2名の生徒が登壇し、「付属小学校からの内部進学者とは、すぐに打ち解けられる」「キリスト教独自の文化が学べて楽しい」「フランス語の授業はていねいに教えてもらえるので、未経験者でも大丈夫」など、生徒の目線から同校の魅力を紹介しました。

イメージ写真 約3万5000冊を所蔵する図書館や五つの実験室、二つの人工芝のグラウンドなど、充実した施設がそろっています。2023年には聖堂が新しく生まれ変わります

www.gyosei-h.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ