受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都市大学等々力中学校

2022年7月1日(金)

「システム」「環境」「教員の熱誠」の改革で、グローバルリーダーを育成

 東京都市大学等々力中学校の前身となる東横商業女学校は、東急グループの礎を築いた実業家・五島慶太氏によって1939年に創設されました。東横学園中学・高校を経て、2009年に校名を変更し、2010年には共学部を設置。創立者の思いを受け継ぎ、「高潔な若人が果たすべき責任と義務」を考えることができる「noblesse oblige(ノブレス・オブリージュ)」の精神を持ったグローバルリーダーの育成をめざして、意欲的な学校改革を進めています。

 オンライン説明会の冒頭、校長の原田豊先生は、「高潔」「英知」「共生」の三つの資質を高める同校の教育について、「システム」「環境」「熱誠」というキーワードを用いて説明しました。

 教育の特色の筆頭に挙げられたのは、「面倒見の良い教育」です。基礎学力の伸長と自学自習力の育成を学習目標に設定している同校では、それを達成する「システム」として、「TQ(Time Quest)ノート」を活用しています。生徒はみずから1週間の学習計画を立て、実際の勉強時間の進捗を確認し、時間管理の能力を培います。

 「環境」の面では、教室の廊下側をガラス張りにして、各学年のフロアの中心にクラス担任の職員室を配置していることを紹介。生徒の様子が自然と目に入ってくるため、いじめのない良好な人間関係を育むことができます。午後8時まで(高3は午後9時まで)利用可能な自習室も整備されており、原田先生は「本校は日本一、自習する生徒が多い学校だと自負しています」と胸を張ります。

 授業力向上をめざす全教員の「熱誠」も同校ならではの特色です。「熱誠」とは、困難を前にたじろがない強い心のこと。同校では、身につけた知識を自分で問題解決に役立てる「メタ認知能力」を重視し、ICTとアクティブ・ラーニングを連動させた授業を推進してきました。さらに、実験重視の理数教育「SST(Super Science Todoroki Program)」にも力を入れ、すべて実験のみで構成される中1・2の理科の授業では、年間100もの実験が行われます。原田先生は、「本校では、こうした多彩なプログラムに教員全員が協力しています。教員が自発的に企画したICTの勉強会なども実施され、ボトムアップで学校全体が向上しているのです。システムや環境はもちろん大事ですが、最後はこうした教員の『熱誠』が生徒を動かすと思っています」と強調しました。

 また、2020年度からは、新学習システム「システムZ(ゼータ)」を導入しています。生徒たちは毎朝10分間、AIによる記憶定着アプリを使った英語学習に取り組み、高2終了時までに全員が英検®2級以上の取得をめざします。

 英語教育では「音読指導」を実践するほか、放課後のオンライン英会話、英検®対策講座、夏季休業に行われる希望者対象のイングリッシュサマーコースや冬季休業中の希望者対象エンパワーメントプログラムも実施。イギリスのラグビー校との交流やオックスフォード語学研修、最先端の医科学を学ぶオーストラリア夏季語学研修など、質の高い国際交流のプログラムも数多く用意しています。

 こうした教育活動の成果が表れ、今春は国公立大学、早慶上理、GMARCHすべてで過去最多となる合格者を輩出し、現役合格率は9割を超えました。原田先生は、「このすばらしい進学実績は、部活動に励んでいた生徒によるものでもあります。『熱誠』を育むためにも、部活動は大切です」と結びました。

 続いて、教頭の二瓶克文先生から学校の概要が説明されました。同校には、最難関国公立大学をめざす「S特選コース」と、難関国公立大学や難関私大学を目標とする「特選コース」があり、中学入試の募集人員も分かれています。二つのコースは、中2で若干名の入れ替えがあり、文系・理系に分かれる高2進級時には、高校からの入学生も含めて全体のコース再編が行われることも伝えられました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 2015年度から先進的なICT教育に取り組んでいる同校。校内には充実した環境が整い、ICT教育をテーマにしたイベント「等々力ICTフェア」も開催されます

www.tcu-todoroki.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ