受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

浦和明の星女子中学校

2022年7月8日(金)

一人ひとりを大切にする教育で「かけがえのない自分に与えられた使命」を果たせる女性に

 埼玉県唯一のカトリックミッションスクールである浦和明の星女子中学・高等学校。1967年の高校創立以来、キリスト教に基づく「一人ひとりの人格を尊重する人間教育」を実践してきました。進学実績には定評があり、高い人気を維持しています。

 さいたま市文化センターで行われたこの日の説明会では、学校長の島村新先生が同校の歴史と沿革について話しました。1934年、カナダ・ケベック州に本部を置く聖母被昇天修道会からシスター5人が来日し、青森で教育事業を始めたのが、明の星学園の原点です。その献身的な活動が認められ、「浦和にカトリックの学校を」という要望を受けて同校が開校しました。島村先生は「本校は、都内や千葉県からのアクセスも良いJR武蔵野線の東浦和駅から徒歩8分です。しかし、学校開設当時はその駅がなく、応募者は20名程度でした。生徒・教職員ともに、十数名でスタートしたのです」と語りました。

 そんな同校が中学校を開設し、中高一貫校となったのは2003年です。その前年の説明会には、毎回、会場が満席になるほどの小学生と保護者が集まりました。壇上から子どもたち一人ひとりの顔を見た島村先生は、「この子たちは、とてもがんばっているな。けれども、競争させられること、他者と比べられて評価されることをどう感じているのだろうか」と思ったそうです。そこで、島村先生がいちばんに伝えようと思ったのが、「ありのままの私」を受け止め、自分らしく生きることの大切さです。それは同校がモットーとする「Be your best and truest self.(最善のあなたでありなさい。そして最も真実なあなたでありなさい)」ということばに通じるものです。

 難関大学への高い進学実績で評価されている同校ですが、島村先生は「進学実績は生徒が希望する進路を実現させた結果であって、本校がめざしているものではありません」と強調します。同校が守り続けているのは「一人ひとりを大切にする教育」です。「生徒を誰かと比べることはしない。一人ひとりが自分に与えられた使命に気づき、自分らしく生きる道を切り開いていくための支えとなる学校でありたい」という思いをわかりやすく伝えるために、来校した小学生に話す「ニンジンさんは赤い。ダイコンさんのように白くはなく、ゴボウさんのように黒くもない。ニンジンさんはニンジンさん、あなたはあなた、わたしはわたし。人と比べる必要はない」という説明は、毎年恒例となっています。それを聞いて入学してきた生徒たちから贈られた「ニンジン・ダイコン・ゴボウ」グッズが校長室に飾られているとのエピソードからは、自己肯定感を育みながら、学校生活を謳歌している生徒たちの様子が感じられました。

 校訓「正・浄・和」についても触れました。「正」は「ほんとうの私として(正しく)」、「浄」は「自由な人間として(浄く)」、「和」は「互いに助け合って(和やかに)」を意味しています。「自分を大切にすることは大事ですが、それと同時に、周りの人もそれぞれが大切ということに気づかなければ、自己実現はできません。生徒たちが熱心に取り組む本校の行事に合唱コンクールがありますが、合唱をするときには、ほかの人の声をよく聞き、互いに合わせようとしないと、美しいハーモニーは生まれません。それと同じように、自分の個性を引き出すためには、他者の声に耳を傾け、互いの意見を尊重し合う必要があることを生徒たちには日々伝えています」と島村先生は話しました。

 最後は学校生活を紹介する動画が上映され、入学式、合唱コンクール、明の星祭(文化祭)、クリスマス行事などで、生き生きと活動する生徒たちの様子が伝えられました。

イメージ写真 広々としたキャンパスには、生徒たちの憩いの場となるカフェテリア、約10万冊の蔵書数を誇る図書館、温水プールなど、充実した施設がそろっています

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