受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

早稲田中学校

2022年7月4日(月)

早大の付属・系属校のなかで
最も古い歴史のある学校

 1895年、大隈重信の教育理念に基づき、坪内逍遥らによって創設された早稲田中学校は、早稲田大学の付属・系属校のなかで最も古い歴史のある学校です。同校が完全中高一貫校となってから、2023年度で30年になります。

 なかのZERO大ホールで開催された説明会の冒頭、教頭の鈴木正徳先生は、早稲田大学の建学の精神が「学問の独立」であるのに対し、同校の教育理念が「人格の独立」であることについて説明しました。「人格の独立」とは、どのような状況でも正しい方向に向かっていくことができる強い心を指します。鈴木先生は、大隈重信が掲げた「逆境に処して益々雄壮」という教育理念に触れ、「大学入学前の10代にこそ、幅広い知識と教養を身につけ、果敢に挑戦する精神を養うことが必要です。中高6年間という大切な時期に仲間と苦楽を共にし、成功体験を積み重ねられるプログラムを数多く設けています」と語りました。

教育目標に基づく学びを実践し
幅広い知識と教養を身につける

 続いて、鈴木先生は三つの教育目標「誠」「個性」「有為の人材」について次のように説明しました。「『誠』は、坪内逍遥による校訓で、本校の人間教育の基本です。自主自律の精神の下、『個性』の伸長を促しながら、社会に貢献できる『有為の人材』を育てる教育をめざす本校は、この三つの教育目標に基づいて、カリキュラムを編成しています」

 先取り学習を導入している同校では、中3から高2までに高校内容の学習がほぼ終了します。授業の進度は速いものの、中学のうちは英語と数学を中心に補習も行い、解法だけではなく、勉強への取り組み方に至るまで指導し、理解に遅れが生じている生徒をフォローしています。また、高校では全体としての補習ではなく、個別対応により疑問点の解消に努めているとのことです。高2からクラスは文系と理系に分かれますが、文系であっても数Ⅲのほか物理や化学を学び、理系も、地歴・公民、国語などを必修としています。その狙いについて、鈴木先生は「本校では、国公立大学の入試に対応するだけではなく、幅広い知識と教養の習得をめざしています」と話しました。

 なお、2022年春の進学実績は卒業生306名のうち早稲田大学に推薦制度を利用して進んだのは159名、慶應義塾大学への指定校推薦が3名でした。144名が一般受験に臨み、24名が東京大学に、19名が国公立大学の医学部医学科に合格。現役進学率は82.3%と高水準です。鈴木先生は「中高時代は心身ともに成長し、興味・関心も変わる時期。子どもたちの希望や選択を尊重できるのが本校の最大の特徴です」と強調しました。

 最後に、中学入試の状況に触れた鈴木先生は、「本校の場合、第1回への出願者の約7割が第2回にも出願しています。第1回は残念な結果でも、第2回で合格する者が毎年一定数います。あきらめずに攻めてください」とエールを送りました。

イメージ写真 2023年4月から使用開始予定の新校舎には、実験室、プール、図書館、食堂、空調完備のアリーナのほか、中高生が集う6層吹き抜けの共有スペースなども設けられます

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