受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

立教女学院中学校

2022年7月6日(水)

平和な社会を実現させるために
発信できる教養と行動力をつける

 今年で創立145年を迎える立教女学院の前身は、米国聖公会の宣教師C.M.ウィリアムズが「女子の教育機関」として1877年に文京区湯島に開校した立教女学校です。説明会の冒頭、登壇した校長の田部井善郎先生は「新型コロナウイルスの感染拡大から2年が過ぎ、本校の学校生活も今年度は通常に戻しながら活動を行っています」と最近の学校の様子について話しました。

 続けて、田部井先生はミッションスクールの教育の根幹にある「平和の実現」について、「平和なくしては、人が人らしく生きることはできません。いまだ戦争が途切れることはなく、解決できない問題も山積みの社会には、もっと女性がかかわっていくべきなのではないでしょうか。意見を述べるためには、教養と行動力を養わねばなりません。平和学習を目的とする修学旅行やボランティア活動を通じて、生徒たちは『他者のために何ができるか』という考えを深めていきます」と語りました。

自主自律を尊重する校風の下、
キリスト教に基づく人間教育を実践

 教育目標として「他者に奉仕できる人間になる」「知的で品格のある人間になる」「自由と規律を重んじる人間になる」「世の中に流されない凛とした人間になる」「平和をつくり出し、発信する人間になる」を掲げる同校では、それらを実現するために「キリスト教教育」「社会生活」「基礎学力」を柱とした教育を実践しています。

 一つ目の「キリスト教教育」は、礼拝・土曜集会・修養キャンプ・ボランティア活動などを通して行っています。土曜集会では、有識者を招いての講演や、キリスト教以外の宗教への理解を深める校外学習を実施。平和学習の場でもある修学旅行では、中3で平戸・長崎を、高2で沖縄を訪問します。平和に貢献するための意識を養うことを目的とした国際教育プログラムも充実しています。英語でのアクティビティーを体験する「サマーイングリッシュプログラム」、ディスカッションや発表を通して課題発見力・解決力を養う「エンパワーメントプログラム」、大学研究施設での学びを体験するUC Davis短期留学、姉妹校5校との交換留学を実施しているほか、模擬国連やユネスコスクール加盟校としての活動にも参加しています。

 二つ目の「社会生活」については、1927年に女子校では日本で初めて発足した生徒会が主体となって運営されている部活動、委員会活動、行事が紹介されました。また、制服がないことにも、自主性・自発性を育む同校の方針が表れています。「質素・清潔」という規定の下、生徒各自がTPOに合った服装を考えます。

 三つ目の「基礎学力」は、「Ask(聞く)」「Research(徹底的に調べる)」「Express(発表する)」を基本とする「ARE学習」で土台を築き、希望者は高3で卒業論文を仕上げます。高1までは全員が共通カリキュラムで学び、高2から「理系」「文系(受験希望者)」「文系(立教大学推薦希望者)」の3コースに分かれます。

 説明会の後半には、進路に関する説明がありました。立教大学への推薦枠は前年度の151名から拡大し、2022年度は195名となったそうです。

イメージ写真 2020年から改修工事が進められ、建築当初の姿を守りながら、Wi-Fiの整備や照明のLED化、耐震性の強化など、安全で快適な環境が整いました

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