受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

湘南白百合学園中学校

2022年6月27日(月)

キリスト教の精神に基づき、「愛ある人として」次世代のリーダーシップ教育を実践する

 江の島や相模湾を望む片瀬山の高台に建つ湘南白百合学園の歴史は、1936年にフランスのシャルトル聖パウロ修道女会によって片瀬乃木幼稚園が創立されたことに始まります。1937年には小学校が、1938年には現在の中学校・高等学校にあたる高等女学校がそれぞれ創立され、校訓「従順・勤勉・愛徳」の下、キリスト教精神に根ざした教育を実践しています。

 説明会の冒頭、校長の林和先生が登壇し、新しい学習指導要領に沿って2021年度に策定した「湘南白百合学園グランドデザイン」について説明しました。高校卒業時の生徒の理想像として林先生が挙げたのは、「身につけた資質・能力を活用し、キリスト教の教えの下、愛ある人として国際社会の平和と発展に寄与しようと、さまざまな分野へ踏み出す女性」「論理的思考力、深く探究する力を身につけ、高い言語能力を有して多様な人々と協働する女性」の二つです。そのための教育プログラムとして、特に「語学教育」と「理数教育」を重視していることを強調しました。

 同校では2022年度、生徒の発話量を増やすことを念頭に、中学3学年の国際教育プログラムをすべて一新しました。林先生は「特にその集大成として中3に取り入れるプログラムは、習得してきた英語をツールとして活かしながら、自分はどう生きていくのかを考えるキャリア教育と、世界標準のリーダーシップ教育の両面を併せ持った内容になっています。7週間かけてワークショップを重ね、学びを深めていきます」と語りました。

 一方、「理数教育」では、新学習指導要領に沿って統合的・発展的な学びを重視し、グラフ・作図ツールなどのICTを活用した授業や、東京学芸大学と連携した問題解決型授業などを導入しました。卒業後は理系学部への進学者も多く、2022年春の卒業生のうち、43%が医学部をはじめとする理系学部に進んでいます。

 林先生は、これらの取り組みを「新たなリーダーシップ教育」と位置づけ、「これからのリーダーシップ観は、『誰もが学習を通して得られるもの』『経験を積み、他者からのフィードバックを得ながら自己理解を高めて獲得するもの』という考えに変化してきており、これはまさに生徒たちに身につけさせたい資質・能力です。『湘南白百合学園グランドデザイン』は、この新しいリーダーシップ観に基づいて実践するものです」と結びました。

 続いて、教頭の水尾純子先生が、具体的な教育内容について話しました。「自分の頭で考える」「一歩踏み出してチャレンジする」という姿勢を大切にし、最終的に生徒の「自立」をめざしている同校では、「プランニング手帳」を活用しています。日々の学習計画を立て、それを実行し、学習内容を振り返り、次の目標に生かしていくというサイクルを繰り返します。自分の学びを俯瞰し、計画する力を中学生のうちに身につけさせることによって、生徒一人ひとりの自立と希望進路の実現につなげていきます。

 また、ICTと連動した探究学習にも力を入れています。中1・2で身近な問題を発見・調査する手法を学び、中3の1年間は「環境」をテーマに、課題設定の仕方や考え方のプロセス、科学的な研究・分析方法などを学びます。栄光学園や鎌倉学園の生徒たちと協働するプログラムもあり、コミュニケーション力、問題解決力、批判的思考などを育みます。これらの主体的な学びの経験は、進路決定にも生かされているそうです。

 最後に、サピックスOGの中1・2生4名が登場し、インタビュー形式でふだんの学校生活を紹介。「小学校からの内部進学生とはすぐ仲良くなれます」「中庭から見える江の島がきれいです」など、学校の魅力を語ってくれました。

 2023年度の一般入試については大きな変更はありません。帰国生入試は、インターネットによる自宅受験から対面式に変更され、面接が廃止される予定です。

イメージ写真 江の島と湘南の海が一望できる高台にあるキャンパス。中庭に続くエントランスには、ジャンヌ・ダルクをデザインしたステンドグラスが飾られています

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