受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

茗溪学園中学校

2022年7月28日(木)

経験重視の学びで、自立した精神を持ち実行力を備えた人材を育てる

 茗溪学園は筑波研究学園都市で働く研究者の子弟に質の高い教育を与えることを目的として、筑波大学やその前身の東京教育大学・東京文理科大学・東京高等師範学校の同窓会である「茗溪会」が1979年に設立した中高一貫の共学校です。人類や国家に貢献しうる「世界的日本人」の育成をめざし、生徒の適性に合った知的好奇心を喚起する授業を実践しています。また、文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)や国際バカロレア(IB)の認定校として、科学技術教育や国際教育にも力を注いでいます。

 この日のオンライン説明会は、入試部長の松崎秀彰先生による校内案内からスタートしました。ウェブカメラを手にした松崎先生は、中学・高校の各校舎をはじめ、6万冊の蔵書を誇る図書館、4分野別の理科実験室、生徒の作品を展示するアートギャラリー、大勢の卒業生が建築に携わったトレーニング棟、人工芝のグラウンド、ホールを備えたアゴラ棟、美術や家庭科といった実技系の授業を行うスコーラ棟など、充実した施設の数々を一気に紹介。館内の随所には、生徒が手がけた美術作品や研究課題が展示されていました。

 続いて、教育内容の説明がありました。中学は「MG(茗溪ジェネラル)コース」が4クラス、「AC(アカデミアクラス)コース」が2クラスの2コース6クラスの編成です。MGが普通科に相当する一方、ACは幅広い分野の教養に基づいて「批判的(critical)・創造的(creative)・実践的(practical)な思考力」を育成し、「知」を武器に次世代を生き抜く力をつけるカリキュラムで学びます。いずれも中高6年間を通して探究学習を重視し、その集大成として高2で「個人課題研究」に取り組みます。松崎先生は、「個人課題研究は、開校時より実施している本校の教育プログラムの中核です。『17歳の卒論』とも呼ばれ、生徒はそれぞれに関心のあるテーマを選び、指導教員の下で約1年間にわたって調査・研究を行います。各自の視点が生きたユニークなテーマのものも多く見られます」と話しました。

 また、開校以来、帰国生の受け入れ校となってきた同校では、国際教育にも力を注いでいます。2022年4月現在、39の国と地域から325名の帰国生が在籍し、全校生徒の4.7人に1人を占めています。また、2016年に国際バカロレア(IB)の認定を受け、2017年から国際基準の教育プログラムを行う「国際バカロレアディプロマ・プログラム(IBDP)コース」が高校に設置されました。IBDPを2年間履修し、最終試験で所定の成績を収めると、国際的に通用する大学入学資格を取得できます。編入の準備として、中学ではAC、MGの両コースで英語の抜き出し授業を行う特別クラスを設け、高い英語力を養いながらIBDPでの学びにも対応できるよう備えていきます。松崎先生は「IBDPを選択する生徒は年々増加しています。それに伴って進路も多様化しているため、生徒が将来やりたいことや希望する学び方に合わせて世界中の大学から進学先を選べるよう、チャンスを広げています。なかには、『THE世界大学ランキング』で30位以内の大学に進学できる成績を収めている優秀な生徒もいます」と述べました。

 多様な文化を理解し、より良い世界の構築に貢献する若者の育成をめざすIBDPでは、生徒の決断力と個性を伸ばすことを重視しています。そこで、同校では、「一人の生徒にすべてを」をモットーに掲げ、学習・部活動・芸術といったさまざまな分野の能力を伸ばすために、フィールドワークを中心とした体験学習行事を豊富に取り入れています。国内外への研修旅行があるほか、体育の授業では「校技」として週1回、男子はラグビー、女子は剣道に取り組み、「突寒ラグビー」「剣道寒稽古」などの行事も行っています。松崎先生は、「文武両道を実践しながら、生徒一人ひとりが興味のあること、得意なことを見つけてほしいのです。その過程で成長し、みずからの考えで決断・行動する力を身につけるよう願っています」と結びました。

イメージ写真 JR常磐線「ひたち野うしく」駅、つくばエクスプレス「研究学園」駅からキャンパスまでスクールバスを運行中。7月には美しい木造日本建築のトレーニング棟も完成しました

www.meikei.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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